■序■
3年間に渡る内戦を和平へとこぎつけ、戦後復興の槌音も高く、民主選挙を経て、立憲王政国家へと生まれ変わろうとしているブレドムは、未だニブノスとの正式な和平と、民主憲法制定という課題を抱えていたが、これらも、これまで通り、ブレドムに住まうすべてのヒトが協力すれば解決できるという楽観ムードが漂っていた。
だがその一方で、テロ組織「オリョール」の残党は最後の決着をつけようと、これまでのむやみなテロ路線を転換し、息を殺して好機を窺っていた。
光あるところに闇あり、しかしその闇は、ブレドムにとって異質な、そして凶悪極まりない暴力を孕んで、蠢動していた。
ブレドムがこれに打ち勝てるのか、今はだれも知らないことだった――。