■序・鼎立の王国■
ブレドムが終わりの見えない内戦に突入して3年、ようやく終結の兆しが現れてきた。誰も彼もが疲れ果て、内戦の終結、あるいは何らかの変化を求めるようになっていた。
ブレダ太陽系の首都星ディヤウスでは、政商であるボーンベニン・セルハバードが、エリノス=ブレドム連合王国の王族であるマハル内親王と結託し、王家と経済界をないがしろにしてきた軍閥勢力「憂国士官会」に対するクーデターを準備しつつあった。
だが、それ自体はまだ、風の兆しに導かれた、よろめいた足取りでしかない。
時代は、さらなる新風を、さらなる確かな足取りを、切実に必要としていた。