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GJT-グレート ジィチャン トミオ-【第1話/全3話】

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GJT-グレート ジィチャン トミオ-【第1話/全3話】
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第1章『スタート!』

 ここは仮想世界のRWO(レディアントワールズオンライン)。
 気がつくと、先ほどまで温泉に浸かっていたはずなのに、いつの間にかバスローブ姿で立っていた。
 周囲を見回すと、中世の街が広がっている。そして、目の前には首が痛くなるほど高いスパイラル・コスモスがそびえていた。
 その入り口付近では、仮想世界に来てしまった元凶ともいえる『梅山 十三雄』がわくわくしながら屈伸運動をしていた。

「あえて言いましょう・・・・・・むぁた梅山プレゼンツですかぁ~! あぁんまぁりですわぁ~!」

 叫び声を上げたのは松永 焔子だった。

「あんまりとはなんだ、あんまりとは。よく分からんところに来てしまったが、せっかく来たからには楽しまんとな」
「もう巻き込まれた方の身も考えて下さらないと・・・・・・」

 笑う梅山に焔子は不満をつぶやく。他の参加者たちも彼女と同様に戸惑いを見せる。

「ぁぁもう、また梅山様のせいですか!?」
「どうやらその可能性は高いですわね。しかし、またなんかとんちきなことに巻き込まれてましたわね!? もうなんか、なんか慣れましたが!」
「慣れたんですか!?」

 クラン『おとぎ銃士』のリーダーであるイバラヒメ(山内 リンドウ)にやえやえ(暁月 弥恵)が驚いた。

「慣れてくれたか、そうか。その方が助かるわ。自分じゃどうにも出来んからな」
「そのように梅山様がおっしゃられますと、こちらとしてはやや複雑な気持ちになるのですが」

 イバラヒメがぼそっと言った隣でやえやえがやたらと服を気にしている。

「こんな姿で戦うなんて無理ですし・・・・・・」

 やえやえが着ているバスローブを見る。フカフカで白いバスローブの裾が風でなびくと、慌てて裾を押さえた。

「このままじゃ清楚で凛々しい私のイメージが・・・・・・!!」

 やえやえは困り果ててしまった。一方、紫月 幸人は覚えのある感覚に周囲を見回している。

「ふーむ、梅山氏と温泉を楽しんでいたはずが何時の間にかこんな所に・・・・・・。まぁ、なにやら懐かしのレースの気配。あれから更に磨き上げられたこの肉体、披露する時と見ましたよ!」

 そう言って幸人はノリノリでボディビルダーのようなポーズを決める。

「よし、その威勢気に入った! ぜひ披露してくれ。まぁ、俺も走ってるからちゃんと見られる保障はないがな」

 そう梅山に言われても幸人はへこたれることなくポーズを続けていた。
 その横ではクラン『ハーヴェスト』のベルベット(リズ・ロビィ)は呆然と立っていた。

「梅山のとっつぁん・・・・・・あんたが悪いわけではないけどなんでこんなイベントをまた・・・・・・」

 バスローブの肩が持ち、彼女は白目を剥いていた。

「そんな魂が抜けたような顔をするんじゃない、ほら。温泉で休んだんだから今度は運動の時間だ!」

 梅山はベルベットの肩を揺さぶり言う。

「まだ休まるほど入った記憶はないさー・・・・・・」

 ベルベットは訴えるものの、揺さぶられているせいか声は届かなかった。
 身に覚えのある者があきれる一方、初めてこんな目にあってしまった者たちは驚きを隠せない。

「あれ? なんで急にRWOに? 姿もRWOのものに変わってる!? しかもスパイラルを500層登れってマジですか・・・・・・?」

 レティアス(優・コーデュロイ)が自分の身や周囲を見回す。

「上に行くほど空気が薄くなりますし、エリアごとに特殊性があるのですが・・・・・・それでもやらないと行けませんね」

 そして、諦めたようにため息をつき、咳をした。

「こほん・・・・・・”皆を笑顔にするため! ”ゆーしゃ”魔法少女レティ、ここにこーりんだよ♪”」

 レティアスが自分のキャラクターになりきる一方、シン(飛鷹 シン)は自分の状況に焦っている。

「は? いや、おい、どういうことだ。というかなんでよりによってRWOなんだ・・・・・・!」

 女性っぽい見た目に反し荒っぽいしゃべり方、かつがに股になっていた。あまりの荒っぽい仕草に妙に視線を感じる。

「そもそもこのアバターは俺が作ったわけじゃなくって仲間の奴らが勝手に作ったもんで・・・・・・」

 シンは言い訳をするが、それに対しての反応は全くなかった。

「ああくそっ! 誰も聞いてねぇな!!」

 シンはさらに苛立ってしまう。一方、アリサ(今井 亜莉沙)もため息をついていた。

「だいたい、こういうイベントでハプニング枠に入るのはあたしよりもキャラ的に目立つ人じゃなきゃダメだと思うのよ。あたしは体の凹凸的にも需要にはそぐわないと思うし」

 そう言ってスタイルの良いフェイヱン(アイン・ハートビーツ)を見つめる。
 視線を感じた彼女は思わず手で胸元を隠した。

「まぁ、せっかくだしこの状況を楽しむことにしようかな。ヤーパンの慣用句にも『踊る紅葉に散る紅葉、どうせ散るなら踊らにゃ太陽』ってのがあるみたいだし。ボクには意味がよく解らなかったけど」

 フェイヱンの言葉に高瀬 誠也が首を傾げる。

「なんか違うような・・・・・・俺も経験を生かして上っていきましょう」

 そう言うと、梅山が誠也とフェイヱンの肩を掴む。

「その勢いが大事だぞ! よし、このデカい塔の頂上がゴールだ!」

 そして、クラウチングスタートのポーズになった。

「よし、行くぞ!よーい、スタート!!」

 雄叫びのような合図を出すと、梅山は勢いよくダッシュしはじめる。皆一瞬状況が読めず呆然としてしまった。
 梅山は走りながら振り返る。

「何しとるんだ! 早く来ないと置いてくぞ!」

 ガハガハと笑うと、梅山は意気揚々と走り始める。その姿を巻き込まれた面々はただただ見つめるしかなかった。
 やがて、皆梅山を追いかけるようにスパイラル・コスモスに入っていく。
 その後ろを参加者に気づいた鳥やドラゴンたちが追いかけ始めた。


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