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蠱毒の森

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蠱毒の森
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~ 序章 ~


 神州扶桑国、帝都より離れたとある町。その町にある修祓隊の支部を束ねる初老の男は、支部長室で先日届いた書類を読み返しては薄くなり始めた頭を強く掻き毟る。
 遥か古の時代に封じられ、現代ではその存在を知る者すらほとんどいないようなマガカミである鵺の復活。その報せはまさしく寝耳に水であった。
 支部に詰める緊急要員には既に警報を発し、戦闘の用意を整えさせて表に集合させてある。鵺に関する報告書と同時に、帝都より先行して派遣された精鋭部隊も到着した。しかし、その総数は大規模な厄災となりかねないこの状況では非常に心もとないものだ。
 帝都や近隣の町の支部からも、引き続き増援の部隊が派遣される事になっており、実際に現在も全速でこの町へ向かっているらしい。だが、既に鵺の復活からかなりの時間が経過しており、事態は一刻を争う状況でもある。
 苦しい状況ではあるが、決断はしなければならない。

「諸君! 今回の討伐任務は非常に厳しい戦いとなるだろう…。だが! 皆の力を合わせればきっとこの難局も打ち破れると信じている」

 支部長は集合した隊員たちの前に立つと、隊員たちを不安にさせまいと先程までの渋面を隠し、堂々とした威厳のある声でそう呼びかけた。
 この言葉に隊員たちも不安が多少和らいだのか、心なしか精悍な顔つきとなってゆく。
 隊員たちの様子に満足したように頷いた支部長は、帝都より派遣された精鋭の一人である桐ヶ谷 遥へ声を掛けた。

「私は支部の残りの隊員たちに準備を急がせる。現場の指揮は君にお願いしたい、よろしく頼むよ」
「えぇ、任せて頂戴。必ずこの任務を達成してみせるわ」

 人手不足を懸念した遥は、少しでも効率よくマガカミの対処に当れるように、隊員たちへの協力を打診していた。いつの間にかその話は支部長まで伝わっていたようで、三井流の皆伝まで至り、更に隊員としての階級も上から二番目の乙階級である遥ならばと、現場の指揮を任せる事にしたのだ。
 二人が固く握手を交わすと、出発の号令がかかる。支部長に見送られ、鵺討伐部隊は目標のいる森へ向けて全速で進行した。
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