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ジュエルトップを育てよう!「よろしく、プロデューサー!」

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ジュエルトップを育てよう!「よろしく、プロデューサー!」
リアクション
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1.アイドルとの出会い(順調?)

 そこにはどんな出会いが待っているんだろう――

 ドキドキしながら、その扉を開けてくれる人物を待つ。
「「よろしく、プロデューサー!」」
 二つの元気な声に、部屋に入った松永 焔子山内 リンドウはぱちくりと目を瞬かせる。
 目の前にいるのは、よく似た二人の女の子だった。
「よ、よろしくお願いします」
「よろしくお願いいたしますわ」
 ひとまず挨拶を返すと、女の子たちはにっこり笑った。
 片方は髪の毛をツインテールにしており、もう一人はポニーテールにしている。
 そして二人とも、右耳に赤い石のついたイヤリングをしていた。
 まず口火を切ったのは、ツインテールの女の子。
「私、山内プロデューサーに担当していただく一寸木 あまお(ちょっき あまお)です。こちらは、私の双子の妹の……」
「自分の紹介くらい自分でできるぜ! あたしは一寸木 とちお(ちょっき とちお)。どっちがあたしの担当の松永プロデューサーだい?」
 あまおの紹介を途中で遮り、元気よく前に出たのはとちおと名乗るポニーテールの少女。
「成程……」
 とちおの様子を見た焔子が、一歩前に進み出る。
「え、まさかあんたみたいな子供が……」
「――はあっ!」
 焔子を見たとちおが意外そうに小さく笑う。
 だが次の瞬間、その表情は凍り付いた。
 とちおの前に立った焔子が狐に変化したかと思うと、突然とちおに襲いかかってきたのだ。
「うわ……っ!」
 とちおは驚いた様子を見せるが好戦的な態度は崩さずきっと焔子を睨み付ける。
 焔子の攻撃がとちおに届く――
「とちお!」
 あまおが思わず声をあげた。
 だが、とちおにその攻撃が届くことはなかった。
 とちおの目の前で、焔子は攻撃の手を止めていたからだ。
「な、にを……」
「とりあえずは合格……としておきましょう」
 肩で息をするとちおに、焔子は冷静に告げた。
「私は松永焔子、またの名を『第B級使徒サメエル』。私が担当することになった貴女は運がいい……いえ、悪いのかしら? 私の指導を受けるからには一流のアイドルになるか死ぬかの二択です。その覚悟はありますか?」
「そ、そんなの……」
 とちおは焔子を見て、次にあまおを見て、再び焔子に視線を戻す。
「あ……あるに決まってるだろうが!」
 焔子の気迫に負けないように、とちおは叫んだ。
「よろしい。ならば、サメです。サメになるのです!」
「さ、さめ……?」
「アイドル業界の荒波を乗り越え、ライバルに食らいつく芸能力を備えたサメになるのです!」
「……なんだかわかんねぇけど、わかった! 松永プロデューサー、あんたについてくぜ!」
(ふむ、好戦的ですが、やる気はあるようですね。それに、負けん気も強い……)
 そんなとちおを、焔子は冷静に分析する。
「ええ、よろしくお願いしますわ」

 そんなとちおと焔子のやりとりを唖然として見ていたあまおだが、リンドウの視線に慌てて向き直る。
「え、ええとその……山内プロデューサーですね。改めまして、よろしくお願いします」
 丁寧にお辞儀するその様子は、双子の妹だと言うとちおとはだいぶ雰囲気が違っていた。
「こちらこそ。わたくし、プロデューサーの山内 リンドウと申します」
 リンドウはあまおに丁寧に礼をする。
(まずは、ちゃんとご挨拶をしませんとね)
 リンドウの丁寧な様子に、あまおもほっとした様子を見せているようだ。
 妹のとちおと焔子とのやりとりに比べると、遙かに落ち着いた空気が二人の間に流れる。
(にしても、こちらの子は妹さんと比べるとだいぶ大人しい……大人しすぎて、少し心配になるくらいですわね)
 リンドウはあまおをじっと見つめる。
「……」
 その視線に気付いたのか、あまおはどうしたら良いのか困ったようにもじもじと両手を組み合わせた。
「ああ、ごめんなさい。いきなりの対面で話題もなくては困ってしまいますわよね」
 リンドウはそんなあまおに優しく声をかける。
「せっかくですから、少しお話をしませんか?」
 部屋の椅子に座ると、リンドウはあまおにも椅子を勧める。
「は、はい……」
「あまお様は、どんなアイドルになりたいのでしょう?」
「え、ええと……アイドルになりたいとは思っていましたが、どんな……は、考えていませんでした……」
「何か好きなものはありますか?」
 リンドウの問いにあまおは少し考えてから、ゆっくり口を開いた。
「……いちご、です」

   ◇◇◇

「はじめまして。私、二ツ谷 フラウ(ふたつや ふらう)と申しますわ」
 高瀬 誠也の前に立つのは青いワンピースに身を包んだ16歳の少女だった。
 青い石のついたネックレスが首元で光る。
「高瀬 誠也です。よろしくお願いします」
 誠也は元気よくフラウに声をかける。
「これから、あなたのことをよく知っていきたいと思っています」
 真っ直ぐな誠也の声に、フラウはほんの少し戸惑ったように視線を彷徨わせる。
「わ、私の方こそ……プロデューサーのことをを……いえ、プロデューサーに私のことを知っていただき、より良いプロデュースをしていただきたいと思います」
 話す前はどこか冷たいほど孤高な様子をしていたフラウだったが、いざ言葉を交わしてみると決してそんなことはないらしい。
「得意なことや、好きなことは何でしょう?」
「そうですわね……大体何でもできますが……特にこれといって突出したものはありません……」
 誠也はフラウと会話を続けていった。

   ◇◇◇

 宵街 美夜マーリン・ケストレルが扉を開けると、そこには黒猫がいた。
 ――いや、黒猫と見まごうばかりの黒いフリフリの服……ゴスロリに身を包んだ少女。
 まるで首輪のような緑色の石のついたチョーカーだけが、彼女が纏っていた黒以外の色だった。
「アナタが、アタシの担当アイドルかしら?」
「あ――あたちは五郎丸 紅葉(ごろうまる くれは)と申しましゅ!」
 少女は勢いよく挨拶をして――勢いよすぎて、噛んだ。
「ふぁ……」
 自分でもその失態に気付いてしまったのか、紅葉はしまったと涙目になる。
「え、ええと、あたちはその……」
「まあまあ、あんまり構えないで。お互い気楽なのがイイわ」
 マーリンは紅葉の肩に手を置くと、そっと頭を撫でた。
「こ……子供扱いしないで欲しいでしゅ!」
「つっても二人で一杯ヤって親睦を……ってワケにもいかナイわよね。……そうだ」
 ふっと、マーリンの顔に笑顔が浮かぶ。
「奢ったげるから、カフェにでもお茶しに行きましょーよ」
「えっ、よ、よろしいんでしゅか?」
「もちろん。何がいい? アタシはコーヒーね」
「あ……あたしもコーヒー!」
 ――その後、かっこつけてブラックでコーヒーを飲んだ紅葉が苦さで吹き出すことを彼女はまだ知らない。
 紅葉にハンカチを渡しながらマーリンは尋ねる。
「紅葉には……何かヴィジョンとかないの?」
「ヴィジョン……?」
「こーなりたい、っていう目標とか」
「そうでしゅね……」
 少し考えてから、紅葉は真剣に答える。
「……大人っぽくなりたいでしゅ。ゴスロリの似合う、素敵な大人に」

 紅葉をマーリンに任せ、美夜は事務室に顔を出す。
 そこには、アイドルとプロデューサーの取り纏め役として働く彼女の愛すべき恋人――リリィがいた。
「リリィ、お仕事お疲れ様」
「美夜さんこそ……お疲れ様です。アイドルさんとは、如何でした?」
「ええ、そちらはマーリンに任せてきたから……」
 するりと、美夜はリリィを抱き締める。
「美夜さん……今はまだ、お仕事中ですわ」
 咎めるように告げるリリィの首筋に、美夜はそっと唇を滑らせる。
「お仕事はちゃんとするから……息抜きをしましょう」
「そんな……」
 それでも戸惑うリリィに、美夜は駄目押しのように耳元に唇を寄せ囁く。
「それに、アイドルさん達も私とリリィが仲睦まじく愛し合っている姿をご覧になれば、異性との恋愛禁止というのが気にならなくなるかもしれないじゃない?」
「そんな、そんなの……」
 リリィの身体から力が抜けた。
「……とても、見せられませんわ……」

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