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ユーラメリカ

世界の歪み・人工島を破壊せよ!!

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世界の歪み・人工島を破壊せよ!!
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第1章 潤也、大海原を縦横無尽に駆けまわる! 伝説の航海を凱歌で彩れ!!
「正義の炎は、海に潜っても、海底に沈んでも消えたりしない! だって、俺の中でずっと燃えているんだもん!!」


「もうすぐ、例の人工島がある海域だね。ああ、腕が鳴るなあ。ボキボキ」
 世良 潤也は商船「カンゼイ・アゲマス」の舳先から行く手に広がる海原を腕組みをしながら見渡して、いった。
 どこまでも青い、自由な海。
 その先には、恐るべき敵が待っている。
 人工島「ケンエツ・ヨウシャナク」
 集金・封の部下たちと、ブラック・キギョーの強化人間たちが守る島だ。
 潤也は、武者震いを禁じえなかった。
「バカヤロー!!」
 海原の彼方へ、大声で叫ぶ潤也。
 海がバカなのではない。
 自分たちの利権のことしか考えない者たちこそ、大バカなのだ。
「届け、届くんだ、俺の怒り!! 武装勢力に目にものいわせてやる!!」
 潤也の瞳に、紅蓮の炎が燃えあがった。
「バカヤロー!!」
 再び叫ぶ潤也。

「ニャ? いま誰か、ワシのことをバカヤローといわなかったかニャ?」
 人工島の海岸から周囲を警戒していたヤマネコフラッシュは、どこかから熱い叫び声を耳にしたように思った。
 ブラック・キギョーの大幹部である彼は、ヤマネコの遺伝子を移植された強化人間である。
「気のせいかニャ? ワシもトシだしニャー」
 てへっと舌を出して頭をかくヤマネコ氏。
 実は彼は、相当な高齢らしい。
「何をしている、会長? 素性のわからない商船が島に接近しているらしいぞ。武装しているという情報もある。すぐに配備につけ」
 同じくブラック・キギョーの大幹部であるダイニチが、人工砂浜をみしみしと踏みしめながら近づいてくると、いった。
「ハニャ? 会長と呼ぶのはもうやめて欲しいニャ。もう辞めてしまったんだニャ」
 瞳をぱちくりさせて、哀願するような口調でダイニチに訴えるヤマネコ氏。
 ブラック・キギョーの中で一大派閥を築きあげたとされる彼だが、どうやら内紛により派閥の代表を降ろされてしまったらしい。
「フン、この島の防衛を成功させれば、お前にもまだ、もうひと花咲かせるチャンスがあるだろうが」
 ダイニチは筋骨隆々とした肩を振りながら、微笑んでみせる。
「チャンス? ああ、お前らはまだ、もがいてるんだったニャ。往生際が悪すぎる」
 ヤマネコ氏もダイニチを見上げて、ほくそ笑む。
 ダイニチもまた、自身の派閥と他の派閥との間で起きた問題が拡大し、頼りにしていた子分を追放せざるをえなくなるなど、てんやわんやの状態だったのだ。
 どうみてもダイニチの派閥が悪いといわれている問題を、それでも必死に誤摩化している最中なのである。
「ほざけ。それより、これからくるのがあの、集金が警戒しているという『ここ通るの自由ですが何か? 作戦』の実行部隊なのだろう。どんな生命知らずがくるのか知らんが、こてんぱんにノシてやろうではないか」
「おお! あの、脅迫タックルでか?」
 イヤミたっぷりの口調でいうヤマネコ氏に、ダイニチは、
「ほざけ!」
 と吐き捨てるようにいって、海岸の砲台に弾丸を投げ込むように装填するのだった。

「聞け!! お前たちに警告する!! この海域は公海なり!! 公海を航海するのに一片の後悔もない!! 勝手に島をつくって領有権を主張するなら、島ごと破壊するのも辞さない!! それが正義の!! 熱血なんだ!!」
 潤也は拡声器を使って島の武装勢力に呼びかけた。
 既に、海岸には多数の荒くれ者たちが集結し、船に向かって矢を構えたり、大砲の口を向けたりしている。
 まさに、一触即発。
「あー、もう潤也、メチャクチャなんだから。何いってるかわかんない」
 潤也の傍らで、アリーチェ・ビブリオテカリオが呆れ顔でため息ばかりついている。
「ハッ、バカいってんじゃねえよ! オメーがどうやったら島を破壊できるってんだよ!! とっとと帰れ! でなきゃ突っ込んで、死ね!!」
 武装勢力の一人が、負けじと拡声器で潤也に怒鳴り返した。
「バカ!! そんなんで、人の痛みを知らないから、お前たちは!! みんな、いくぞ!! 俺たちが、必ず俺たちが、また安心して通れる海を取り戻すんだ!! ここはみんなの海なんだ!! 自由の、博愛の海なんだ!!」
 潤也は絶句しながらも必死で叫び、商船の仲間たちに呼びかけた。
「おおーっ!!」
「やってやらああ!!」
 武装勢力に攻撃を仕掛けるつもりでいた乗組員たちが、次々に小舟に乗って出撃する。
 中には、空を飛んだり、イルカのように泳いだりして島に向かう者もいた。
 そして、潤也は。
「いくぞ、荒ぶる拳!! バーニングラッシュ!!
 リボルバーナックルを装着した拳を振り上げたかと思うと、船の舳先から空中に飛び出していった。
「はああああああああ」
 叫ぶ潤也の全身から、炎が吹き上がる。
 そのまま海面の上を駆けるように島の海岸に突き進んでいく潤也。
「ま、待って! そんな、ムチャよ!! もう、みてられないんだから。ダサすぎ!!」
 アリーチェは慌てて、潤也の後を追って海上を移動する。
 格闘家であるアリーチェは、空高く跳躍すると、身軽に海面をつま先で蹴って、ジャンプを繰り返しながら海岸を目指していった。
 潤也に比べればおとなしいが、それでも常人にはできない芸当であった。

「ニャ? 何かニャ? 熱い拳がワシに向かってくるだニャ!! 海の上を!! アホか!!」
 海岸で子分たちを含む武装勢力を指揮していたヤマネコフラッシュは、炎に包まれて疾駆する潤也の姿を目にして、驚いたようだった。
 次の瞬間。
「悪の権化!! 浄化して昇天!! 悔い改めろ!!」
 上陸した潤也の拳が、ヤマネコフラッシュの顎を砕いた、かにみえた。
 だが。
「ニャハハ!! 甘いだニャ!!」
 ぐわしっ
 ヤマネコ氏は余裕の表情で肉球に覆われた掌を突き出すと、潤也の拳をしっかり受け止めていた。
「なっ!!」
 潤也は、ヤマネコ氏をものすごい目で睨みつけた。
「ガンつけかニャ? 獲物を狙うネコ科の獣の瞳に、勝てるかニャ?」
 ヤマネコ氏も目から殺気をほとばしらせて、対抗する。
「ニャニャ!!」
 ヤマネコ氏は受け止めていた潤也の拳を豪快に払い飛ばすと、痛恨のネコパンチを放った。
 どごおっ
「が、がああっ、ぺっ」
 ネコパンチで腹をえぐられた潤也の顔が、激痛に歪む。
「まだまだぁ!!」
 潤也は負けじと、次の拳を振りあげた。
ジェットインパクト!! 毛皮を剥ぎ取れ!!」
 潤也の拳が衝撃波を放って、ヤマネコ氏の頬を張り、その着衣をビリビリに引き裂いた。
「ニャ、ニャントォ!!」
 ヤマネコ氏は鼻血を吹いて、砂浜に転倒した。
   【チェック】世良潤也、豪腕炸裂。技名「ネコでもビビるジェット皮剥ぎパンチマックスハート」
「ぐう、かくなるうえは!! 失礼こかせて頂くニャ!!」
 ヤマネコ氏は倒れながらも、震えるお尻を宙に突き出して、臭いオナラを解き放つ。
 ぷう
「わあ、鼻がきかない!! しびれる!!」
 モロにオナラを吸った潤也も、顔をしかめて転倒。
「は、判定。ワシのネコパンチの方が、ストレートに決まっていてポイントが高いニャ。よって、勝者はワシ……ニャア!!」
 ヤマネコ氏は悲鳴をあげた。
 うずくまっている潤也が、ヤマネコ氏の尻尾をつかんで、ひねりあげていた。
「い、イタタ!! やめるニャ!! ねたむな!!」
 激痛に涙を流して悶え苦しむヤマネコ氏。
「セコい判定はやめろ!! それでも強化人間か? どちらかがダウンするまで、闘いは終わらない!! それが死闘のルールなんだ!!」
 潤也はヤマネコ氏の身体に覆い被さって、突き飛ばそうとする。
 そのとき。

「ほお。相撲なら、俺の方が上だぞ!!」
 どすこーい!!
 潤也たちの近くに現れたダイニチが、叫びととともに、しこを踏んで、潤也の身体を突き飛ばしていた。
「ぐう」
 砂浜に顔を埋めて、潤也は息も絶え絶えになった。
「会長は、お前の下で砂に埋もれたか? この際だ。二人まとめて、砂に沈むがいい」
 ダイニチが、潤也を踏みしめようとしたとき。
「やめて!! あたしが相手よ!!」
 アリーチェが、ダイニチの前に立ちはだかっていた。
「お前が? まわしはどうした」
「ふざけないで。相撲でやるつもりはないわ」
 アリーチェは、回転して蹴りを放ちながらいった。
「こざかしい。相撲こそ、重量級格闘技の王道!! 器用に立ちまわるだけでは吹っ飛ばされるだけだ!!」
 ダイニチは、いかつい掌を振りあげると、アリーチェの肩を思いきりぶった。
「あっ、張り手!? そんなの多用するなんて、相撲チャンピオンらしくないって!!」
「ああ? 反則タックルよりはマシだろうが!!」
 ダイニチは、うずくまった姿勢からアリーチェを睨みつけた。
 恐怖の突進が始まるのは、これからだ。

次章、ついに小悪魔現役代表が登場! アリーチェとダイニチのどすこい相撲勝負の行方は? 砂浜に埋もれた潤也は死んだのか? AED要る?
大海洋アクション、読み終わるまで一睡もできないぞよ!!

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