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ラ・ベルメール ~再び出張出店の一日!~

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ラ・ベルメール ~再び出張出店の一日!~
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~コミュニ・セラフとアッシュムーン・セラフの一日~

「コミュニ、そんな歩き回って大丈夫かの。後でばててもしらぬぞい」
「あっちに小物の出店がありますに! 覗いてみたいのですに」
アッシュムーン・セラフは、意気揚々と前を歩くコミュニ・セラフを、急ぎ足で追いかける。目を離せばうっかりはぐれてしまいそうな人混みだ。
(ホームシックになられても困るしの。ちょっと付き合うぐらいは良いじゃろ)
コミュニは自由奔放に動くが、彼女の楽しげな様子にアッシュムーンは頬を緩めていた。ここ最近は戦い続きだったり、何かと気の抜けない日が続いている。彼女の心が軽くなればと思ったのだ。
「行きたい場所は決まっとるかの?」
「さっき、広場の入り口で簡易地図を貰ったのですに」
コミュニが迷い無く進めていたのはそのおかげらしい。彼女の目的は、金物細工と装飾品を扱う出店だった。
「いらっしゃい、綺麗なお姉さん方。ちょっと見ていかないか?」
露店商の若者が、二人に声をかける。彼が上等の絨毯の上に並べていた品物の中に、コミュニが探していたアイテムがあった。
「眼鏡ですに!」
「ああ、そいつはもう一点しか残ってないんだぜ」
シンプルなオーバル型フレーム。決して派手ではないが、上品な美しさがあり、普段使いにも申し分ない。
コミュニが眼鏡を購入している間に、アッシュムーンが気をきかせ、傍の屋台で二人分の飲み物を買っておいた。バザーの醍醐味の一つは、やはり飲食だ。コミュニにコフィアの入った紙コップを渡したアッシュムーンは、早速ワインのカップに口をつける。
「どれ、ついでに軽食でも買っていこうかの」
「良いですに! あ、あとあっちのアクセサリも見たいですに」
ソーセージの串焼きに、定番のフィッシュ&チップスを頬張りつつ、二人はバザーを順々に巡って行った。
道中、アルコールの回ったアッシュムーンは饒舌になった。コミュニの肩に顎を載せたり、腕を組むなどして愉快に笑っている。彼女を姉妹の様に慕うコミュニは、気にする素振りもなく買い物を続けていった。
 眼鏡の他に、コミュニは金の土台にイエローパールの飾りがあしらわれたバレッタを購入した。彼女の艶やかな髪に良く映えることであろう。

「ふむ……。ここが”ラ・ベルメール”という店か。最近ラクスにできたんじゃろうか。どれ、もう一杯いただこうかの」
「店長さん、魚が美味しいメニューがあったら教えてほしいに」
 買い物終わり、ほろ酔いのアッシュムーンは酒のつまみになる甘味を求めて、コミュニは旅の記念になる名物料理を求めて、ラ・ベルメールの出店を訪れた。
「いらっしゃいませー! どうぞ、空いているお席にご案内しますー」
店主・レノは、コミュニに店自慢のサルディン・サオール(鰯のマリネ)を、シャンパンを注文したアッシュムーンには、望みどおり菓子のフリッテッレを用意した。
二人は料理に舌鼓を打ちながら休憩を取り、レノとつかの間の世間話をする。
「ラクスには魚介パスタや洋菓子が食べられる店が沢山あるんですよー。もし次の機会がありましたら、是非ラ・ベルメールにも遊びに来て下さいね」
「ふむふむ……ありがとうございますに。その時は宜しくお願いしますに!」
「はい、楽しみにしていますー」
気持ちよく飲酒するアッシュムーンの横で、コミュニはレノから聞いた飲食店の情報をメモしていった。そして、いつの日か再びレノの店を訪れることを約束したのだった。



 その後、バザーを心行くまで満喫した二人は、そのままラクスのホテルで一泊する事になった。湖の見える部屋で。二人は一つの寝台の上、寄り添う様にして眠りについたのである。
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