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チキュー大好きエルフの冒険 第一幕

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チキュー大好きエルフの冒険 第一幕
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『第一章 足止め作戦』

 人が闇に抗う世界、ローランド。そこには、かつて魔王に支配されていた国があった。
 しかし、他の国、他の世界の人間が協力することで、その国を取り戻すことができた。
 落ち着きつつある世界では、ある者は真実を、ある者は宝を求め、奔走していた。


 *     *     * 




 プリシラ公国南部の、とある町。その近くにある森の中でエヴィアンの少女が全力で走っていた。

「お願いだからぁ、乗ってくれぇ!!!」

 その後ろを追いかけてきたのは車輪のついた鎧を身に着けた男だった。敵の姿は、まるで地球でいう「バイク」のようだった。
 走る少女は時々翼を羽ばたかせるが、距離を飛ぶことはできない。


「なんだ、あのHENTAIは!?」

 依頼で森に来ていたリーフリット・テュルキースは全身鎧の男を見て、声を上げた。

「悲鳴が聞こえたから何事かと思ったら……とにかく鎧男を退治するぞ」

 リーフリットは機導式で飛翔しながら敵へと向かっていった。同時に有翼の舞姫も全身鎧の男の前に立つ。

「一曲いかが?」

 彼女が舞を踊れば、鎧の男や岩の魔物は釘付けになった。そして、その舞は敵に幻を見せる。
 それは、エヴィアンの少女が森のあちらこちらにたくさんいる幻覚だった。

「さっきの翼の少女がたくさん! どれが本物だ?」

 男は突然現れた大量の少女に困惑する。 その間に、リーフリットは魔具である『トリニタス・アウィス』を振るった。
 すると、飾りだったはずの小鳥がそこから飛び立つ。小鳥が全身鎧の男と岩の魔物へと向かっていく。
 その小鳥を起点とし、雷が発生する。攻撃は広範囲に渡っていき、たくさんの雷がほとばしっていく。

「いくら硬くても、高威力の技を何度も受けられるほどではないでしょ」

 鎧の男は急いで距離をとろうとするが、雷の方がスピードが速く兜にある紫水晶へとダメージを与える。

「やりすぎな気がするが、女の子を追い回す犯罪者に躊躇は必要なし!」


 リーフリットが攻撃している間に、他の冒険者も森の中に到着する。

「なんだ、鎧とゴーレムの暴走族か何かか?」

 バルター・アイゼンベルトは目の前の敵に困惑する。しかし、少女のためにも気を取り直し、準備にとりかかった。
 高い空間認識能力で戦況を正確に把握しようとする。敵と味方の位置が分かると、魔導銃である『蒼渦ノ旋流』を構えた。
 狙いを定めると、車輪のついた鎧の男へと発射していく。敵は最初の攻撃に驚くが、軌道を読み徐々に回避していった。
 さらに、バルターが水弾も混ぜながら放つ。それが着弾すると破裂し、鎧を濡らした。

「オレだって冒険者の端くれ! 簡単にはやられはしない!」

 敵は攻撃を避けつつ、エヴィアンの少女を再び追いかけようとする。一方、バルター自身に焦りはない。

「油断してるなら、その方が好都合だ」


 車輪のついた鎧の男が少女を追いかけようとすると、その目の前に一人の男が立ちふさがる。

「漢なら、乗れ。乗られるな、だが乗られたいなら乗ってやろう」

 目の前ではシン・カイファ・ラウベンタールが意気込んでみせる。

「女の子を助けるために、オレがヤツのハートを一回仕留めてみせるぜっ」

 しかし、敵はシンを回避し走り出す。すぐにシンは注意を引くために走り出した。

「そこのバイク野郎! そんなに乗ってほしいなら俺が乗ってやろうか?」

 シンが叫びながら問いかけるが、

「何を言ってるんだ?! 女の子に乗られなきゃ意味がないんだ!!」

 と即答された。

「あ、女の方がいいのか……」

 敵に言われ、シンが冷めたように足を止める。
 しかし、簡単にあきらめるわけにはいかなかった。シンはリュックサックから取り出したのは『深紅のレジャージャケット』だった。

「女性だったら、誰でもいい、っていうのは失礼すぎるだろ」

 シンの仲間であるジャスティン・フォードは全身鎧の男に呆れる。
 だが、距離はある程度開いた程度でエヴィアンの少女はまだ救出できてはいない。
 ジャスティンは少女を救うため、まず自身の弓に『大地の矢』をかけて、敵に向かって放った。
 巨体である岩の魔物に命中すると、大地に縫い付けられたように重くなる。岩の魔物たちの動きは遅くなり、少女からさらに距離が離れていった。

「よし、このまま足止めしていくぞ!」

 さらにジャスティンは地の術式を付与した矢を放った。それは鎧の男や岩の魔物ではなく、地面に刺さっていく。

「どこに打っているんだ。オレはこっちだ」

 男は嘲笑うが、まもなく矢が刺さった部分から泥濘へと変わっていく。岩の魔物の足が埋まっていき、一気にすすめなくなった。

「確かに速いが、身体が重い以上そっちが降りになるわな」

 ジャスティンがニヤリと笑った。


 一方、ロデス・ロ-デスはサーフボード型の機装『デザートスライダー』に乗り、鎧の男を追いかけた。

「あんな得体の知れないヤツに追われているを放っておけないだろ」

 ロデスが機装で追いかけていると、鎧の男が岩の魔物をけしかける。
 岩の魔物が走ってくる中、ロデスは『ロックピアサー』で地面を攻撃していく。自身の肉体を強化しており、地面に複数の穴を開けていった。
 そこから、岩の魔物がいる方向へと走っていく。岩の魔物は腕を振り、巨大なそれを叩きつけようとする。
 ロデスは攻撃を誘導するように回避していった。さらに、魔物がロデスを捕まえようと乗っている機装を追いかける。
 しかしその瞬間、ロデスが開けた穴に魔物は、はまってしまった。

「まずは、1体」

 穴に落ちたのを確認すると、ロデスはもう1体に狙いを定める。岩の魔物は衝突するかのように走り出した。
 ロデスは『ロックピアサー』を地面から魔物に向けると、走ってくる岩の魔物の腕を突き、岩をえぐっていった。



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