次に動いたのは
ロデス・ロ-デスだった。
フロートジュエルLV3を使った身のこなしで、バク転しながらダーティに向かっていく。
「ふん」
ダーティは白銀の剣を振ったが、次は側転でかわされてしまう。
イライラした様子でダーティは剣を振り続けるが、ことごとくかわされる。
その後方で、白金護杖LV5を使った結界を展開しているのは
風華・S・エルデノヴァである。
ダーティの動きを観察眼LV3とプランツセンスLV5で伺っている。
それを横目に見ながら、ダーティはロデスの動きを読みきれないでいる。
バク転、側転などを繰り返しながら、ロデスはブラッドブレードLV6を取り出した。
それを、ダーティとのすれ違いざま軽く滑らせる。
「そんなの痛くも痒くもないぞ!」
ガハハと笑うダーティに、ロデスは内心ほくそ笑んでいた。
(すでに仕掛けの中にいるのに、愚かな奴だ)
バク転で近づき、ブラッドブレードで浅く切る。側転で近づき、同じことを繰り返す。
それこそが、ロデスの狙いだった。
「ははは……は……?」
ダーティは気づいた。動けなくなってきている。
それはロデスの武器に秘密があるのだろうと。
「何をした!」
「別に何も。パラリティックポイズンをちょっと塗ってあるだけさ」
パラリティックポイズンLV5。
盲点だった。
ロデスは悠々とダーティの横を通り過ぎようとしている。
この隙を逃してなるものか。
「天技、金の亡者!」
ダーティは天技金の亡者LV1を発動した。
周囲のありとあらゆる金属がダーティの元へ集まってくる。
ロデスも引き寄せられ、あとは白銀の剣で斬られるのを待つだけだ。
そこに、別の天技を叫んだ者がいた。
「ねむねむの加護!」
風華の天技、ねむねむの加護LV1。職能の吟遊詩人LV4の美しい声で語りかけるそれは、ダーティを眠りに誘った。
ダーティは眠りに落ちる。
「助けに来たよ、お姫様」
ハイピッキングLV6でアスターシャの鎖を外し、抱き抱えてそのまま岩場を飛び降りた。
ここに姫は助けられた。