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お手紙大パニック

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お手紙大パニック
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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≪1≫『村人たちを避難させる』(難易度4)

 一同は少女の道案内に沿い、不安定な野道を歩いていた。
 
「あ。これ、疲労に効果がある草ですぅ」

 ラファル・スフレは道中周囲に目を光らせては、道に生えた野草を摘み取っていた。
 捕らえられた村人たちは監禁生活で衰弱していることだろう。救出しても、弱り切って命を落としてしまっては意味がない。
 そんな心配りから、彼女は村人たちの糧になる野草を探しながら歩いていたのだ。
 
「……なあ。さっきから同じ言葉をぐるぐる回っているが……もしかして、迷っているのか?」
「いやっ……ちがうんです、これは、その……っ」

 弥久 ウォークスのまっすぐな言葉に、少女は顔を青くする。
 息が荒くなって、何かに縋るように自分の着物の袖を握りしめた。
 
「いえ、そんなわけ……だって、生まれ育った村までの道なのに、忘れちゃうだなんて……」

 狼狽える彼女の側に、戒・クレイルがそっと寄り添う。
 
「無理もないことです。貴女は今大変な状況におかれているのですから。混乱して簡単なことがわからなくなることもあるでしょう」

 無理もないこと。そう言われたことで少女は少し気が楽になったようだ。ほんのわずかにだが表情が和らいだ。

「では、私にお任せください」

 川上 一夫はその場で小獅子座の神威衣を纏うと、そっと周囲の音に耳をそばだてる。

「この神威衣は、聴力を高める力があるのです。こんな山の中です。人がたくさんいる気配があれば、そこがあなた様の村でしょう」
 
 川上は耳に手を当てて、聴覚に意識を集中させる。
 
「……物音がします。おそらくこちらの方角でしょう」

 川上が先頭になって、一同は今来た道を引き返していった。


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