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蒼空学園の大晦日

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蒼空学園の大晦日
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 大晦日の朝。
 まだ暗いうちに、川上 一夫は第一食堂を訪ねた。
 ここの責任者とは先日の企画以来、運送の仕事をとおして懇意にしている。

「たいへん助かります。
 今日はよろしくお願いいたします」

 ぎゅっと握手をすると、搬入口から外へ出た一夫。
 自身で運転してきたトラックの荷台から、大量の食材をおろし始める。
 実は。
 一夫は今日ここで、天ぷらとお節料理をつくらせてもらうことになっていた。
 学齢期の子どもが4人いる川上家の家計は少々、教育費に圧迫されている。
 家計の足しにするために、年末年始の料理を販売してお金を稼ごうと考えたのだ。

「鍵よしっ!」

 トラックにも搬入口にもしっかりと鍵をかけたら、手洗いうがい。
 一夫は、『ビジネススーツ』のうえに『瀟洒なメイド服』を着用した。
 持参の『まな板』と食堂の道具で、まずは天ぷらづくりにとりかかる。
 野菜に魚介類に肉と、天ぷらのタネは敢えて幅広く用意した。
 食材の仕入れに有効だったのが、【メイドさんネットワーク】のコネクション。
 収集した情報から、安さと鮮度を追求することができたのだ。
 つくり方は【調理知識:和】のスキルで、ばっちり頭のなかにある。
 加えて【料理上手】で、食べたことのあるなかからいちばん美味しかった天ぷらの味を再現。
 揚げたてサクサクの天ぷらが、次から次へとできあがった。

「続いてお節料理ですね」

 手を休めることなく、一夫は次の料理にとりかかる。
 同じように仕入れた食材とレシピと再現性で、絶品のお節料理をつくってみせた。
 見上げる壁の時計は、開店8分前を指している。

「なんとか間に合いましたね。
 たくさん売れてくださいよ!」

 料理をカウンターに並べ終えると、残りをパックに詰めてもろ蓋に積む一夫。

「それではみなさん、よろしくお願いいたします」

 職員達へ丁寧に頭を下げてから、第一食堂をあとにした。
 なにはともあれ、蒼空学園中を歩きまわって料理を売りきらなければならない。
 それが終わったら、【ハウスキーパー】の技術と『仕込み竹箒』で学園を大掃除するつもりだ。
 社長は、大晦日も忙しい。
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