第1章『ライブスタート!!』
3つの国が人型ロボットを使い、領地と元の世界に戻る権利をかけて戦う世界「ジーランディア」。
自由都市連盟内では年末ということで外はざわついていた。特に領地の中央ではライブ会場には多くの人が集まっている。
戦戯 シャーロットはそのライブ会場裏に来ていた。
「アリスちゃんをアイドルとしてライブに夢中にさせればいいんだねっ」
「いや、そのことなんやけど」
そう言ってカホはシャーロットに作戦を説明する。
「えー? 裏方~? ぶーぶー こっちでもアイドルとして名前売りたいのに」
頬を膨らませ、不満を漏らす彼女にカホも苦笑しながら説得した。
「でもま、まだデビューさせて貰えるか分かんないから仕方ないか~」
シャーロットは裏方としてライブ会場の裏に潜入する。舞台裏ではいわゆるアバターの中の人たちがダンスをしていた。
それをモーションキャプチャーすることでアバターと重ね、ライブ会場の巨大な画面に映し出していた。
彼女は出番を待っている中の人たちを一通り見ると一人の少女に声をかける。
「んじゃ、ちっちゃ可愛い天使アバターを使ってるキミに決めたっ♪」
そして、彼女の出番になると、シャーロットはライブ会場を自分の世界として取り込み、ステージ上のものを自在に操る。
まずはどの観客にも天使のアバターが見えるように空間を歪ませた。
「天使アイドルちゃんを見えるように、さらにおもてなししていくよ☆」
彼女がダンスを披露している間、シャーロットは機材を操作し音楽にあわせライトを当てる。
「フェスタのトップアイドルたるものこういうのもお手の物♪」
今度は観客に向けて彼女の宣伝を行う。
「殺伐とした世界に舞い降りた天使ちゃん。地下からメジャーへの夢を抱き、
その癒される歌声で皆を癒すよ☆小さな体で大人をダメにする母性が特徴!」
そして、特等席でライブを見るアリス・エイバリーにも声をかける。
「アリスちゃんももふもふ羽毛に包まれてみない?」
シャーロットが言うと、皆天使みたいな衣服となり、会場は白く包まれ声援が大きくなった。
そして、最後にはパラシュートで括りつけられたプレゼントボックスを降らせていく。
そのボックスを手に取ればびっくり箱のように天使のおもちゃが飛び出した。
天使のアバターアイドルが手を振る中、プロデュースしたシャーロットはその活躍を頷きながら見守った。