青い旗が堂々とはためく拝殿の前で、特異者たちはモノノフ集団の到着を待っていた。
「鐵皇国にもー“ひえもんとり”に似た風習があるとはよもやよもやーなのですねー。『ちぇすとガドラスティア』ーなのですー」
そう言う
取間 小鈴に
川上 一夫は眉を寄せる。
(ひえもんとりは確かとんでもない奇習だったような気が……)
小鈴の壮大な勘違いに思考を巡らせていると、黒い法被を着たモノノフの女性が男たちを連れて現れた。
「遅れてしまい申し訳ございません。このたびは集まっていただきありがとうございます」
集合時間に遅れていないのにもかかわらず、女性は深々とお辞儀したあと1枚の紙を手にする。
「ルールは参加時に説明しましたが、新たに2つ追加することにしました。まず時間制限ですが、制限は基本ありません。ですが、あまりにも長くなるようでしたら審判側で残り時間を決めさせていただきます」
「大体どれくらいを想定しているんだ?」
火屋守 壱星の質問に女性は少しだけ間を空けて答える。
「1時間ほどを想定していますが、状況次第でそれ以上も考えています」
「わかった」
「次に我々の数ですが、攻撃チームに6人、防御チームに5人加わります。敵味方の区別は法被の色で判断してください。赤が攻撃チーム、青が防御チーム、そして黒が審判となっています。ここまでで何か質問は?」
特異者全員、首を横に振る。
「それでは各チーム準備を始めてください。整い次第、開始です」
目次
開戦の準備
開戦! 東西攻防戦
参道攻防戦<1>
参道攻防戦<2>
ガドラスティア争奪戦
ガドラスティアを取ったのは――