クリエイティブRPG

ジーランディア

ロボット奇襲/防衛作戦と若き社長の野望

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ロボット奇襲/防衛作戦と若き社長の野望
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第1章『支援とかけそば』

 3つの国が人型ロボットを使い、領地と元の世界に戻る権利をかけて戦う世界「ジーランディア」。

 大陸南部にある耕作地に適した土地では鐵皇国とルミナス王朝が争っていた。
 長き戦いで疲弊しつつある大鐵人とシュヴァリエの元へ突如として自由都市連盟のアーマードスレイヴが現れる。
 やがて、奇襲作戦のため、ロボットたちが戦場に入っていく間に特異者たちは後方支援に回った。
 その中に永見 玲央も混ざり、支援に加わっていた。

「アリス盟主は政治の理に偏り過ぎて、商売の理から縁遠くなてしまっているのでしょうかね?」

 玲央は現状に首を傾げる。すると同じように作戦に参加していたカホ・セルドーンが答える。

「なんか考えがあるんちゃうか・・・・・・知らんけど。まぁ、こっちはその方が好き勝手できてありがたいんやけどな」

 カホの操縦するフライングカーゴがはりきったように前へと進んでいった。

「私たちも行きますよ!」

 玲央も『アーマードスレイヴ(突撃型)』で戦場を進み、
 それぞれの手に『ビームピストル』と『レーザーエッジアサルトガン』を握り、敵に向かって構えた。
 そして、『モノクルターゲット』を使い、狙いを定めると攻撃を開始する。
 まずは目の前に現れた敵ロボットへ発砲した。『ビームピストル』から放たれたビーム弾が敵ロボットの武器に命中する。
 同時に『レーザーエッジアサルトガン』からレーザーエッジナイフを出し、腕の関節を斬るように振るった。
 その間に別の敵ロボットが巨大な刀を振り下ろす。
 玲央は回避しつつアーマードスレイブの腕を伸び縮みさせ、間合いを誤認させる。
 敵が空振りした瞬間、脚部に撃ち込み体勢を崩させた。
 今度は銃を向けられ、弾が飛んでくる。玲央は魔法の盾を形成しながら、避けた直後ナイフを振り下ろした。

 玲央が戦っている間に江河 文典は『モノクルターゲット』の無線機の反応を待っていた。

「まだかなぁ・・・・・・あ、きたきた」

 しばらくして、無線機から応援要請の連絡が入る。
 戦場の中で『クナール型飛空艦』を移動させるとボロボロになった機体が倒れているのを見つけた。

「いたいた。今から助けるねぇ」

 文典は敵ロボットに妨害されないよう土の壁を生み出すと、
 『チタン製衝角』で抵抗を減らし『烈風符』で少しでもスピードを上げ現場に向かった。
 その後、倒れている機体を飛空艦の中へ回収する。飛空艦内では永見 博人が待機していた。

「連盟製以外の機動兵器も修理できるかもね」

 期待に胸を躍らせながら待っていると、さっそく文典が回収した機体が修理場所へと入ってくる。
 博人はロボットの消耗加減を確認しながら、修復する箇所を考え始めた。

「確認した感じ、こんなものかな。他に何か気になることはないか?」

 彼はコクピット内にいるパイロットに話しかけ、要望を聞く。
 そして、一通り準備を終えると、知識と経験を生かしながら手早く修理をし始める。
 その間、外では文典が操縦する飛空艦を撃ち落とそうと、大鐵人やシュヴァリエが攻撃を仕掛けてきていた。
 文典は周囲に魔法の盾を張り、防御していく。
 博人の作業は細やかであり、パイロットの要望や機体の状態から癖を探し出す。
 そして、そこからすりあわせや調整も行いつつ、
 さらに修理する機体がアーマードスレイヴだったため、『ユニバーサルレスキューバール』を使い作業を完了させた。

「よし、こんな感じかな」

 汗を拭う博人はどこか爽やかだった。
 やがて、修理と回復した機体は文典により戦場の真上辺りまで来ると、再び戦場に降り立った。

「これでおーわりっと・・・・・・あ、また連絡入った」

 文典が安堵のため息をついた瞬間に無線機に反応があった。

「一徹二徹は何のその、三徹からが本番よ」

 博人はバールを持って気合いを入れ直した。


 *     *     * 



 自由都市連盟のアーマードスレイヴたちが戦う中、戦戯 シャーロットもその一人だった。

「ルルちゃんと一緒に出撃するソルジャーちゃんの援護をするよっ☆」

 一方、ルルティーナ・アウスレーゼは隣にいるシャーロットに驚く。

「わふ? てっきり、お姉ちゃんもあちらで暴れてくる側だと思いましたのに・・・・・・!」

 そう言ってルルティーナは戦場へ向かうアーマードスレイヴを指差す。

「んふふ~♪ 今日はルルちゃんと一緒に活動したいからおねーちゃんもガジェットドクターになってきたんだ~♪
 魔改造はボクも大好きだからね!」

 しかし、シャーロットの側には普段乗っている機体が立っていた。

「それで、出撃せずに立ち往生してる機体はどうしたんです?」

 彼女が問いかけるとシャーロットは弁明する。

「・・・・・・はい? メンテ代や修理費が高いからちゃんとした整備をしてこなかった?」

 すると、ルルティーナは『ギガントレスキューツール』を持ち出して微笑んだ。

「・・・・・・えと、殴っていいです?」

 彼女は怒りながらシャーロットを座らせる。

「そこに、正座! いいですか、自分の機体の面倒もみれないようじゃ乗り手失格ですぅ!! そもそも・・・・・・」

 やがて、一通り説教を終えるとルルティーナはため息をついた。

「ふぅ、仕方ないですから今回は無料で修理とメンテをわたしがやってあげますっ。
 ですが! また、同じようなことを起こしたら───わかりますよね?♪」

 ルルティーナがにっこり笑うと、シャーロットは凍りついたように固まった。

「やれやれです・・・・・・では、はじめますよっ!」

 彼女は知識を駆使しながら手際よくフライングカーゴに回収されたアーマードスレイブを直していく。

 ショーロットも『チタンヘッドドライバー』を手にさっそく作業に取りかかる。
 彼女はアーマードスレイヴに発火機能をつけると、持っていたナイフが炎を纏う。

「奇襲の一撃で大爆発♪ 派手なの大好き!」
「それから、この弾薬の補充は追加サービスです!」

 そう言ってルルティーナは弾を詰めていく。一方、シャーロット自身も戦場へ入っていった。
 『モノクルターゲット』で連絡を取りながら、『颯の脚甲』で一気に目的地へ進んでいった。
 敵の前まで来ると、妨害する超音波を流し始める。

「奇襲がバレたら面白くないもんね。王朝ちゃんも皇国ちゃんもびっくりさせちゃえ☆」

 シャーロットが戦場をかけていると負傷し手動けなくなっているアーマードスレイヴがいた。

「おっと、動けなくなっちゃってる子はっけーん。ルルちゃんも手伝ってー」

 彼女は仲間に応援を頼むと、壊れた機体を修理し始めた。

 その後、カホのフライングカーゴの一室では負傷したパイロットへ食事が提供されていた。
 そこにシャーロットとルルティーナも入ってくる。

「カホちゃんが麺類を広めるならボクはパイ類を広めたいなぁ!
 てなわけで助けた子のお口には料理上手で作ったフルール印の妖精パイをぶちこめー>ワ<」

 シャーロットは疲弊しているパイロットにパイを頬張らせた。その間にルルティーナも手を上げる。

「あ、お姉ちゃん! わたしはいなり寿司を所望しますぅ!」
「えー、ルルちゃんはいなり寿司がいいって? 前つくったお揚げパイじゃダメ?」

 フライングカーゴ内は徐々に和やかな雰囲気に包まれていった。


 
 *     *     * 

 

 戦場の中央では3つの陣営が争う中、カホはフライングカーゴを操縦しながら動けなくなったロボットの元へ向かった。
 そのフライングカーゴの中には葵 司たちも待機していた。
 やがて、ロボットらがいる場所に到着すると『ジャンクアーマードスレイヴ』に乗った七種 薺が下りてくる。
 彼女は瓦礫などを避けながらコクピットへ呼びかけた。

「助けに来たわよ。早くここから脱出して!」

 その間にノーネーム・ノーフェイスはガジェットドクターとして機体の方へ赴く。
 そして、回復薬である『ライフリキッド』を使用しつつ、ロボットの修理にあたった。
 ふとコクピット内を覗くと、ぐったりと横渡っていた。

「大丈夫か? ケガは軽いものだが疲労がかなり溜まっているようだな」

 ノーネームは自身の魔力をパイロットに分け与え、動ける程度には回復させる。

「動けそうなら、早く出てくれ。本格的な回復はあそこでしてもらう」

 とフライングカーゴを指差した。動かなくなった機体から這い出たパイロットたちはフライングカーゴへ足を運ぶ。
 その一室は外の戦場とはうって変わって料理屋となっていた。
 長いカウンターの奥は厨房となっており、大きな鍋が置かれている。
 別の場所には乗せる具材であるかき揚げや天かす、味の染みた油揚げなどがあった。

「ここはウチの工場で生産したものを使った『そば屋』や! 早よぅ、頼みたいもんあったら言ってや。うどんもあるで」

 奥からカホが顔を出し、パイロットたちを呼び込む。その隣には司もいた。

「戦場でも暖かい飯を出すことは、俺も望んでいることだ。もっとも敵味方は明確に区別した上でだけどな」
「まぁ、確かにアリスは不満そうにしとるからのぅ。ウチとしては広告費のつもりで割り切ってるんやけど」

 カホはパイロットから注文を聞いていった。カホとの違いに彼女とは同志でも敵でもあると実感しながら、司は作業に入る。
 麺を一人前ごとに分け、大きな鍋で茹でていく。その間につゆも温めていった。

「とはいえ先輩と呼ぶべき存在から学べることは多い。今回は四の五の言わず社長について回って手伝うつもりだ」

 司は茹でた麺を器にもり、つゆを入れた。あとは注文通りに油揚げや天かすを添えていく。
 カホはパイロットの前に注文の品を並べていった。
 温かいそばやうどんは湯気が立っており、甘塩っぱいつゆがパイロットたちの身体に染みていく。
 さらに、麺にはこしがあり、かき揚げや天かすは噛む度にサクサクと音が立った。

「学ぼうとする姿勢が感じられるのぅ。感心感心」

 カホが頷きながら豪快に笑った。

「あわよくば機材を融通してもらおうとか下心もあるっちゃあるけどさ」

 司の言葉にカホは芸人のようにコケる。

「そ、それは働き方次第やな。ただ手伝っただけで教えたるほど、甘ないで」
「なんなら俺が知ってる麺の情報も提供するぜ? 麦由来ならパスタ、米由来のフォーなんてのもあるな」

 司が情報交換をしていると、ノーネームと薺がフライングカーゴに入ってくる。

「お客さん、まだまだいるよ」
「こういう形態の店は回転率が命だろ」

 店に入るパイロットたちは手当は受けたものの、腹が減っているのか鈍い音が体内から響く。

「せやったな。よっしゃ、ウチらが丹精込めて作ったるで」
「こっちも忙しくなりそうだ。手伝ってくれ」

 司は仲間を呼び、かけそばやうどんを提供していった。その空間は戦場にはありえない温かさに包まれていた。

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