クリエイティブRPG

ジーランディア

「このシュバリエは、見られたものではないので見てはいけません!」

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「このシュバリエは、見られたものではないので見てはいけません!」
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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 Ⅰ.PM19:30 バアル塞・ランナップエプロン

「うらぁぁぁぁーっ!」
 駐機場の石畳の上に着地したザラストロは、着地と同時にホーミングマギオンランチャーをトリガーした。無数の魔法弾が周辺に着弾し、爆発する。
「うわあああああ!?」
「な、何だ!? 敵襲か!?」
「シュバリエが一機です! 研究セクションからエプロンへ着陸!」
「研究セクション――またあの女か! ネリス博士を呼べ! ていうか連行しろ!」
「守備隊を出せ! ナナシィは!?」
「30秒ください!」
「敵は待っちゃくれないぞ!」
「お任せですわ!」
「何!?」
 騒ぐ兵士達の脇を、一機の大鐡神が駆け抜けていった。オウマ・ムラマサ改。(王朝の尻ぬぐいは甚だ不愉快ですが、近くに居合わせたからには看過することもできません――今回は王朝への貸しということにさせて頂きますわ!)松永 焔子は大鐡神のコクピットで天喰刃をトリガーする。抜刀。オウマ・ムラマサ改が刀を抜き放ち、
「この距離なら……!」
 振るった刀身から衝撃波が放たれる。「ああ!?」ザラストロは寸前で気づき、バーニアで横に跳んで回避した。
「来やがったなあああ!」
 叫び、ザラストロはオウマ・ムラマサ改にマギオンランチャーを放つ。焔子は刀を構えてこれを受ける。爆発。数発は斬り落とすが、全弾というわけにはいかなかった。「くっ……!」
「ならば――一意専心!」
「!?」
 遍現跳躍。短距離ダッシュ。ザラストロの視界からオウマ・ムラマサ改が消える。空中二段ジャンプからの短距離ダッシュを応用した急降下でザラストロの死角に降り立つ。モノクルターゲット。籠手打ち。
「天喰刃・水面斬り!」
「ぐあ!?」
 滑るような踏み込みと同時にザラストロの脚に斬りつけた。命中。ザラストロの片足が火を噴き、体勢を崩す。「やりやがったなあああ!」しかしザラストロは叫び、体勢を立て直した。
「暴走する新型機! コレは稼ぎのタネになるのよ! ひっとらえて報償をせしめるのよー!」
 南方の空域から、ジョーイ・バンドールの操るキャラック型飛空艦が塞に急行していた。「おもしれー機体だって? ガジェットドクターとして、新技術が見れるかもしれないと聞いては黙っちゃおけないね!」艦のフライトオフィサ席にはトスタノ・クニベルティが座り、ジョーイと共に艦を制御している。戦闘空域に侵入。目標をレーダーレンジ内に捕捉。
「ジョーイ! エレクトロマイン!」
「レリーズなのー!」
 艦から浮遊機雷が散布される。「敵かああ!」ザラストロはそれを見て、機雷をかいくぐって艦に接近する。「フロストゲイル、起動なの!」「何!?」艦に搭載されたフロストゲイル発生装置が起動し、ザラストロに向けて氷嵐を放つ。ザラストロの動きが空中で止まり、
「弾幕には弾幕でおかえしなのよー!」
「よーく狙って、目標を中央に入れて、ポチッとな!」
 トスタノが暴風神筒をトリガーし、クールな賞金稼ぎが副砲《ドキュウ》を発射、さらにジョーイがサンダーカノンを発射する。
「ぐああああっ!?」
一斉射撃にザラストロは堪らず墜落し、地上に叩きつけられた。「――あれ?」
「……あー……マズいかも」
「ハンガーよりブリッジ。作戦は順調のようだが、予定通りの状況なら、そろそろ発艦許可をくれないか」
 キャラック型飛空艦内・汎用機動兵器ハンガー。待機していた名和 長喜はコクピットの通信機からブリッジに連絡を入れた。
「あー……はいはい。すぐハッチを開けるよ。……その前に、一つ連絡事項が」
「? 何か?」
「目標のシュバリエだけど……今確認したら、生命反応がある。パイロットがいるね。あれ」
「――は? 人が乗ってる?」
 長喜は声を上げ、コクピットのサブモニターを見やる。……一斉射撃を受けてぶすぶすと煙を上げるザラストロが、円形に陥没した石畳の上に倒れている。
「――死んだんじゃないのか」
「あーいや、生命反応はあるから、それは大丈夫だよ。……大丈夫だと思いたい」
「……それを確認してこよう。ハッチを開けてくれ」
 了解、とトスタノが応え、外へ繋がるハッチが開く。長喜のジャンクアーマードスレイヴの眼が輝き、メンテナンス・ロックを解除して一歩を踏み出す。「しかし、作戦は変更だな。ヒライズミ、お前はここで待機だ」
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