→第一章 ヒント探しの旅→
「よいしょ……っと」
今回も子供達に手伝ってもらうことにした
永見 博人は、大量の袋に水鉄砲を用意して子供達を集める。
潜在的に好感度が上がりつつある子供達はそれらを受け取ると、楽しそうに遊び始めようとしていた。
しかしその前にと、博人は子供達に前回同様手伝ってもらい、逆三角の印を探してもらうことに。
「確か、雑貨屋、街頭、噴水、レストランの壁……までは見つけたんだよね。そこから先を探してもらいたいんだ」
「任せて! みんな、行こう!」
散り散りバラバラになった子供達は博人が伝えた場所の印までは見つけ、同じように博人もそれを確認。
特段変わった様子のない、前回と同じ印が見つかったためこれ以上の情報はなかった。
「うーん……もう少し見方を変えたほうがいいんだろうか……」
手詰まりとなりつつある博人は、一旦休憩しようかと子供達に告げて、近くのベンチに座ってもう1つのお土産――怜峰桃の缶詰で作ったソルベをそれぞれに渡して、一休み。
博人は嬉しそうにソルベを頬張る子供達を横目に、ぼんやりと遠くを見つめるように休憩を始めた。
「……?」
ぼんやりと、力を抜いて休んでいたところで博人はなにやら違和感を感じる。
その違和感が何かを掴み取れていなかったが、漠然と何かがある、という感覚が備わっていた。
この感覚が何なのか? 他の特異者達ならばわかるかもしれないと、情報を伝達していく。
「なるほど、ね……」
前回、博人と共に行動した
焔生 セナリアが合流。
真毬 雨海も共に博人の下へ駆けつけると、辺りをぐるりと見渡した。
何の変哲もない道。しかしベンチで休むことで何か違和感を得るのはセナリアも雨海も同じようだ。
「セナリアさん、これって……」
「うん、これも仕掛けの1つね。でも私じゃ追跡力が少ないから、難しいかも」
「では、私が探してみます」
「お願いね」
雨海がぼんやりと、ベンチに座って遠くを見やる。力を抜いて、煮詰まった頭の中を少しずつゆるく解いて……。
「……あ」
ふと、雨海は気づいた。裏町に配置された街頭がまるで人を呼び込むような灯し方をしていることに。
もしかして、と思ってベンチをくまなく探ってみると、逆三角形の印が残されている。更には短く「道に従え」という文章が残されていた。
「情報屋の場所が特定出来ました!」
「それじゃあ、あとはその場所に向かうだけね。みんなにも伝えておくわ」
「お願いします!」
セナリアは迅速に仲間の特異者達に情報を伝え、情報屋の位置を全員に告げる。
これから向かい、情報が確保出来次第連絡することを告げると、セナリアと雨海は街頭が指し示す先へと進んでいった。