第九章 →やっぱりポーカーなんですよ→[
カジノの街と言われるからには、やはり本元となるカジノに挑戦するっきゃ稼げない。
テーブルゲーム・ポーカーに挑戦している
松永 焔子、
戦戯 シャーロット、
シレーネ・アーカムハイト、
ラティス・レベリーの4人は同じ卓に座り、自身の手札とにらめっこをしていた。
「ふむ……」
「うむむぅ……!」
「なるほどなるほどぉ……」
「………」
他の参加者もいる中で、4人の表情はまさしくポーカーフェイスを貫いている。
一般人の参加者は自身の手札を見ては一喜一憂しており、脱落する人々もちらほらと出ている。
そのおかげか、4人は平常心を保ってポーカーに挑めていた。
「では、私はこちらと交換を」
「じゃあアーシはこれかな」
焔子とシレーネは資金をいくらか乗せ、手札を入れ替え手を揃えていく。
「俺は……これでいい」
ラティスは全資金を投入し、そのままの手札で挑戦。
「なら、ボクはこれをこうして……こう!」
シャーロットはいくつかの手札を入れ替え、イカサマがないように見張りながら揃えていく。
難しい役になればなるほど、ベットした金額を高い倍率で取り戻すことが出来るが……それはやはり、運が大きく絡む。
出来れば難しい役を揃えつつ、資金を稼ぎたいと思うのが心理だろう。
やがて全員の手札入れ替えが終わり、ディーラーの手元にチップが集まる。
「では、オープン」
ディーラーの声に合わせて、全員が手札を開く。
一般客は大体がノーペア、ワンペアが多く、良くてもツーペアが限度。
焔子、シャーロット、シレーネもツーペアだったり、スリーカードが揃っていたりと様々な手札が並んでいた。
そんな中、ラティスの手札だけは10倍配当のフラッシュ――1種類のスートのみが揃っており、なかなか順調な駆け出しとなっていた。
「ふむ……なかなか、稼げるんだな」
「でも、まだまだ終わりじゃないよ! 特別ルーレットの開催までまだ時間あるみたいだし!」
「そうですね。出来る限り、特別ルーレットまでに資金を稼ぎましょう」
「そーそー。白髭のおっちゃんの鼻を明かしてやってからが、アーシらの本番じゃん!」
そう、彼らの目的はカジノで金を稼ぎに来たのがメインではない。
――特別ルーレットに参加し、白髭のイカサマを見破ってその資金を手に入れる。
それが、特異者達が次に至るための目的なのだから。
焔子の稼ぎ……スリーカードが成立が多かったため、3倍の返却。300万円。
シャーロットの稼ぎ……元手の200万を一気に巻き返し、3倍に上昇。600万円の返却。
シレーネの稼ぎ……200万を活用し、3倍の返却。600万の返却。
ラティスの稼ぎ……謎の金運により元手2万が10倍返却。20万円。