第六章 →稼ぐよ、アルバイト→
前回のループにて、パルクールアルバイトを経験した
ジェノ・サリス。
バイトの募集は今回のループにも存在しており、前回好調だったジェノは喜び勇んでパルクールアルバイトへ応募した。
今回も同じようにカジノ街、港町、裏町の境を一気に走って、飛んでを繰り返す。
前回よりもキレのある動きは観客たちを賑わせ、かなり喜ばれていた。
「次のルートは……!」
指定されたルートだけでなく、アドリブも入れていいと言われている今回のアルバイト。
前回使ったルートに加え、前回仕入れた地図情報を元に巧みなパルクールを見せつけていた。
「……ん?」
ふと、ジェノはパルクールで飛び回る間にオークション会場から港町に伸びる道を見つけたのだが……1つだけ気がかりな裏道が目に入った。
まるでコソコソと隠れて進むかのような、高い家々に囲まれた光の届かない裏道。狙撃等を受けないよう、窓等は完全に締め切られている。
要人関係者が逃げる時に使う道か、あるいは要人関係者が会場入りする時に使う隠し道なのだろうか。その全貌はわからない。
「なんだろうな、あの道……」
少し気になる道ではあったが、アルバイト中なので道の中には入らず。
他の仲間達に後で伝えるとしよう、と頭の中に留めておいた。
一方で、前回と同じく歓楽街でアルバイトをしている
人見 三美。
ジェノのパルクールアルバイトを眺める観客が多く、彼女はせっせとおつまみの追加やお酒の追加を持ち込んでいた。
「おーい、おつまみ追加お願いしていいかなー?」
「はーい! 只今お持ちしますので少々お待ちください!」
やはり今回も人手不足ということで、三美はお店の救世主として仕事に駆り出されている。
前回は様々な要因が重なって疲れが溜まり、失敗をして給料に響いてしまった。
故に今回は前回の経験を活かして適度に休みを入れながら、お客様に良いおもてなしをするために三美は歓楽街のアルバイトを続けていた。
「おまたせしました、追加のフライドポテトになります」
「ありがとう。あ、そうそう、お冷追加してもいい?」
「はい、お持ちします。他に必要なものはございますか?」
「あー、じゃあついでに追加の料理もいいかな?」
「承りますね」
順調にテキパキとお客の要望を聞いて、料理を持っていく三美。
そのおかげでお店には様々な人がやってきては、色々と注文をしてくれた。
後にお店からは評判が良くなったよということで、少し給料を弾んでくれたのだった。
ジェノの給料支払い……良い動きを見せてもらったとのことで、25万円
三美の給料支払い……良い接客だったと評判が良かったため、25万円