第二章 →その印の先は→
「じゃあ、僕たちも調査しよう。前回の場所は……」
「雑貨屋、街頭、噴水までと聞いているわ」
セナリアと博人はそれぞれの持つ情報を確認する。
裏町の地図とこれまで見つけた逆三角の印の位置を照らし合わせ、銅像に書かれた印とこれまで見つけた印を線で結んで規則性がないかを考えた。
「印以外には……」
これまで見つかった場所に出向いて、逆三角の印に加えて何かが書かれていないかを確認するセナリア。
数字だけが逆三角の中に書かれており、それ以外は何も書かれておらず次の場所を特定するには至らない。
また博人が向きによって方向がわかるのかもしれないと逆三角の向きに注目してみたが、頂点となる部分は下を向いているため方角を割り出すことは出来ないようだ。
「となると、地道に探していくしかなさそうね」
「そうだね。前回の場所からスタートして、探してみなくちゃ」
子供達の報告を聞きながら、前回で終わってしまった噴水まで向かう博人とセナリア。
確かに噴水にも逆三角の印が刻まれており、この地点が中間地点であることが伺える。
「あ、そうだ。セナリアさん、逆三角形の印の位置も関係してないかな?」
「位置……なるほど、情報屋の背丈を調べるのね?」
「うん。隠れているかもしれないからね」
それぞれの逆三角形の印が描かれている高さを確認するため、街の中を歩いてもう一度確認していく2人。
しかし印の高さは様々で、雑貨屋は高い位置にある看板、街頭は博人の目線と同じ高さ、噴水は縁に書かれている。
どうやら高さに関しては規則性は無く、無意識に目に付きやすい部分に逆三角の印を入れているようだ。
「ということは……」
その法則を捉えた2人は再び噴水に戻り、あたりを見渡す。
すると次に目についたのは、裏町では少し珍しいレストランの壁。探している時には見つかりづらく、噴水で少し気を緩めた時に見えるような位置に印はあった。
また新たに見つけた逆三角の印。
しかし、レストランの場所に出向いて以降の印はまたしても見つけられない。
どうやら情報屋から追跡力が試されているようだ……。