クリエイティブRPG

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　同時刻、ガスベガスの街中では大騒ぎだった。
　オークション開場前のモニターではラムダ州長が緊急事態を宣言していたのだが、ドアを蹴破る音と銃声が３発。
　前々回のループと同じ結末を迎えており、同じく円環現象が起こる寸前であることを示唆していた。
「まずい！！」
「これは……！！」
　固く閉ざされた扉を、潤也、ラティス、アルヤァーガ、ジェノ、博人が一気に蹴破って、会場内に入る。
　しかし……。
「……！？」
「なっ……！？」
　無理矢理に蹴破られた扉の先を見て、特異者達は驚いた。

　――会場入りしたはずの詩穂とロザンナが。
　――２人を連れて行ったはずのオークショナーが。
　――その２人が入る前にいたはずの大勢の観客や参加者が。

　――どこにもいない。

　どこを探しても、人の姿は無い。
　それどころか『人がいた』という証明さえも出来ないほど、何も残されていないのだ。
　何が起こっているのかさえ理解出来ぬままに、時は刻一刻と進む。


「ば、馬鹿な……！」
「何故……！？」
　ジェノも、アルヤァーガも。

「どうして……！？」
「ここで何が……」
　カルスも、焔子も。

「外に出た形跡は……ありませんね」
「うん、みんな中にいたはずだ……」
　三美も、博人も。

「誰か、誰かいませんかー！」
「誰でもいいから返事をしてー！」
　雨海も、クロイツも。

「ダメです、誰もいません！」
「詩穂さん！　ロザンナさん！　どこにいるの！？」
　愛須も、セナリアも。

「おぉーい！　詩穂ちゃーん！　ロザンナちゃーん！」
「じょーだんきついって！　隠れるとかナシっしょ！」
　シャーロットも、シレーネも。

「……俺達は、また」
「……たどり着けなかった、みたいだ」
　ラティスも、潤也も。

　――皆、世界から弾き飛ばされた。