第十一章 →見抜きましたよ、その数字→
特異者達は皆、揃って特別ルーレットに必要な300万を揃え足並みを揃えた。
今回特異者達の中から特別ルーレットに参加できるのは、詩穂、ロザンナ、シャーロット、シレーネの4人。
それぞれが集めた資金を使い、会場へと足を運ぶ。
彼女たちに加えて前日開催の優勝者である白髭と、一般の参加者1名による合計6人でルーレットを回すことになるようだ。
参加者以外の見物人は防音防弾ガラスの外側で待機しており、数人の特異者達もそこで白髭の様子を伺っていた。
「……ね、みんな」
こっそりとシャーロットが詩穂、ロザンナ、シレーネと普通の会話をする。
その際にところどころ情報を散りばめ、白髭の様子を確認しながら他愛のない話をして欺いていた。
そんなやり取りが起きているとはつゆ知らず、白髭は少し咳払いをして近くにいたバニーに声をかける。
「あー、そこのキミ。ちょっといいかね?」
(来た!)
(確認するのは――)
(お酒の頭文字、燻製肉の本数、立ててる指!)
会話を続けながら、聞き耳を立てつつ白髭の様子を確認する4人。
そんなことをされているなんて白髭は予想も立てられないのだろう。お酒の注文と、燻製肉の追加をしておいた。
「今回はサンダーベルベットの気分でね……」
(100の位は3……)
「ああそうだ、サンダーベルベットと言えばピリッと辛い燻製肉が欲しいな。8本ほど頼むよ」
(10の位は8だねっ!)
「じゃ、よろしく頼むよ」
バニーに左手で4本指を立てて見送る白髭。その様子に詩穂が1の位は4だと判断したため、サラサラと近くにあったメモでロザンナ、シャーロット、シレーネの3人にも共有する。
――今回の数字は、384だと。