第一章 →刻まれし印の在り処→
前回、奇妙な印を見つけた
永見 博人は
焔生 セナリアに情報を共有し、まずは子供達に接触を図るためお土産を持って裏町を歩いていた。
なお今回も
永見 玲央は彼に調査を任せることにしているため、この場にはいない。
「確かに人手があれば、印を見つけるのは簡単かもね」
「うん。前回はそのおかげで見つけることが出来たからね」
セナリアと博人は少しだけ寂れた道を歩き、前回のループで仲良くなった子供達の前へ行き、好感度のチェックを開始した。
「んー……? お兄さん、誰??」
子供達は潜在的に好感度はあるようだが、博人との面識に関してはループ以前に戻っている様子。
知らないはずなのに、何故か良い印象がある。そういう感情を持っているようだ。
では今回も、好感度を上げていこうと博人は先のループで持ち込んだ怜峰桃の缶詰……ではなく、ちょっと手を加えて作った桃のコンポートを子供達に振る舞う。
物珍しいおやつに次々に子供達は博人とセナリアの下へ集まり、美味しそうに食べる。ついでに持ち込んだ竹とんぼで遊んだりと様々な方法で好感度を上げていく。
「じゃあ、次はお宝探しゲームでもしよう! これから僕とセナリアさんと一緒にね!」
「いいよー!」
「何探すのー?」
「お宝はね、こういうマークを探していけば見つけられるの。みんなは見つけられるかな?」
セナリアが指し示したのは、情報屋にたどり着くためのスタート地点――銅像に刻まれていた逆三角の印。
これを探していけばお宝にたどり着けるという名目で、子供達に散り散りバラバラに探してもらおうという作戦を2人で立てていたのだ。
子供達はもちろん了承。みんなで一緒に探すよりはバラバラに探したほうがいいからと、子供達はそれぞれ散り散りバラバラになっていった。