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ガスベガスの蜃気楼phase1-1

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ガスベガスの蜃気楼phase1-1
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第八章 →稼げる? ストリートギャンブル→
 ガスベガスが賭博都市と呼ばれる所以は、何もカジノが大きいだけではない。
 街中でも合意の上であれば、色んな人との賭博が出来るのも大きな利点。
 アルヤァーガ・アベリアはその利点を活かし、街中で色んな人とポーカーを楽しんでいた。
「はい、ストレート。そっちはいかがですか?」
「わ、ワンペア……」
「では俺の勝ちなので、掛け金は俺がいただきますね」
 順調に資金を稼いでいくアルヤァーガ。
 というのもストリートギャンブルではイカサマが多発しているという情報を先んじて得ていたため、それらを的確に見抜いては逆に嵌めていくスタイルを取っていた。
 順調も順調、このまま行けば目標の300万にはすぐに到達するだろう。……そう思っていた矢先のこと。
(おっと、今のは……)
 次の相手をしていたときに、またしてもイカサマが見えた。
 すり替えのトリックを見抜いたアルヤァーガは先に山札に手をかけられないように素早く手札を入れ替え、先に手札を揃えておく。
 相手はどうしようか、と悩んだ様子を見せていたが熟考の末に手札を入れ替えた。
「それでは、オープン」
 アルヤァーガの声とともにお互いの手札を見せると……何故か、アルヤァーガの手札よりも相手の手札のほうが強かった。
 バカな! と考えた次の瞬間に、アルヤァーガは気づいたのだ。山札は引かれていない、と。
(二重で仕掛けてくるとは……!)
 予想外のイカサマに調子を狂わされてしまったが、アルヤァーガの稼ぎは悪くはない。
 彼は順調に15万円の稼ぎを出していた。

 その一方で、ギャンブルに負けて鬱憤を晴らしたくてたまらない人間もいる。
 アルヤァーガとのギャンブルに負けた人々が行き着く先は、諏訪部 楓シレーネ・アーカムハイトのストレス発散請け負い場。
「ストレスが溜まっていて、殴られたいという方はこちらへどうぞ~。お金さえいただければ好きに殴っても良いですよ~」
 楓はニコニコとした様子で憂さ晴らしをしたがる人々を集めては、その怒りを一身に引き受けていた。
 出来ればやりたくはなかったが、と小さく呟くものの……今この場ではそうも言っていられない。
 うまくダメージを減らすように動いたり、グローブを付けてもらったりと工夫をしながら多くの人々を集め、資金を稼いでいく。
「なあ、グローブなしとかはないの?」
「あ、それは別料金になります」
「うおぅ……マジか……」
 巧みな話術で言いくるめて値段を吊り上げたり、殴られるだけ殴って逃げられないように先払いにしたりと工夫をこらし、殴られたら即時回復の体勢を取って次々に稼いだ。
 おかげでまあまあの人が憂さ晴らしをしたかったようで、30万円は稼ぐことが出来た。

 またシレーネは実弾や刃物を制限しつつ、武器立ち合いで稼いでいた。
 ルールは至極簡単なもの。怜峰小太刀を持ったシレーネとの立ち合いを行い、どんな戦い方でも良いためシレーネに膝をつかせれば勝ちという、誰にでもわかりやすいルール。
 おかげでギャンブルで負けて憂さ晴らしをしたい人々が、参加費用1万円を払ってどんどんシレーネに戦いを挑んでいた。
「よっと! はい、アーシの勝ち!」
「うわっ、マジか!? 今の行けただろ!?」
「まあ膝ついたほうが負けなんで。はい、掛け金はアーシのもの~」
「くっそぉ~!」
 女性だから簡単に勝てるだろう。
 そう考えた人々は気軽に1万円を参加費用としてシレーネに渡し、武器を持って挑み、そして次々にやられていく始末。
 おかげでそこそこの人数がシレーネのもとに集っており、時々負けたりもしたが15万円は稼ぐことが出来ていた。
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