第十一章 →特別ルーレット、スタート→
「では、私の数字は……」
「んー……それじゃあ詩穂は……」
「じゃあボクはねー……」
それぞれが出す数字を考えに考えて、悩む。
前回のループでは特異者は前々回出した数字では当たることはなかったが、果たして今回はどうなるのか……。
「それでは、参加者様の数字が出揃いました」
ディーラーの透き通る声が会場内に響き、参加者たちから参加費用300万を受け取ってルーレットが開始される。
大掛かりな装置であるルーレットはディーラーの目と耳でしっかりとチェックが行われ、そうして玉が一気に射出される。
コロコロ、コロコロと転がる玉がルーレットの中を回り回って……そして、ピタリと止まった。
玉が止まった数字は――144。
「なっ……?!」
「えっ、なんで!?」
「嘘……!?」
焔子も、詩穂も、シャーロットも。
そして、この光景を見ているであろう特異者達は皆驚いた。
前回のループとは全く違い、ズレた数字でもなければ掠ってもいない数字がルーレットの出目として出ていたからだ。
そして何も、その驚きはルーレットの出目に対してではない。
「なに!? 本当かね!?」
白髭が大当たりしているというのも、前回ループと変わらぬ光景だというのに……出目と白髭の出した数字が同じという点が特異者達を混乱の渦の中へと突き落としていく。
――何が、起きている?