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元社畜令嬢、クセが抜けず逆に恨まれるの巻

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元社畜令嬢、クセが抜けず逆に恨まれるの巻
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第2章『サソリ型機械族を倒す』

 酒屋で冒険者?パーティーが暴れていた同時刻、サブラ砂漠では砂船に乗った人々が騒いでいた。
 なぜなら、巨大なサソリ型の機械族がこちらへ向かってきていたからだ。
 それを冒険者の一人である邑垣 舞花は見つめていた。

「依頼の完遂に努めましょう」
「随分とまぁ物騒な乗りもんに乗った姫様だな? 舞踏会じゃなくて武闘会にでも行くつもりかい?」

 一方、迅雷 敦也はサソリの機械族に煽った。
 サソリの上にいるサンドリオンは目標である砂船に狙いを定め、他には目をくれず進んでいった。
 その遂行ぶりに敦也がため息をつく。

「なんにせよこのままだと砂船に激突しちまう・・・・・・事故る前にぶっ壊すぞ!」

 舞花は履いていた『リープシューズ』で空気中の砂を靴底に固定しながら向かっていた。
 それはまるで宙を駆けているようだった。
 彼女はサソリの機械族の前まで到着すると、魔導銃『パーフォレイター』で狙いを定める。

「足止め、させていただきます」

 舞花は素早く冷静に魔導銃を撃っていった。発射する銃弾には魔力を纏わせ、弾はサソリの脚の関節部分へ飛んでいく。
 すると、敵の耐魔力を相殺させ実弾が命中していった。
 次に敦也は風の魔力を宿した『ガーナーピアス』で風を読み、魔力の流れを辿る。

「いつ奴がくるか把握できるはず・・・・・・」

 辿っていると、サソリの一体が冒険者たちの方へと向かってきた。
 彼はサソリと距離をとり大型の魔導狙撃銃『ハイパーソニック』を発射する。
 かなりの遠距離だったが、射程延長と風の術式により弾丸は猛スピードで飛び、サソリの一体に当たると乱気流が起きた。

「俺の眼ならすげー離れてても標的見えるしな!」

 その乱気流に飲み込まれ、サソリの機械族は体勢を崩した。

「よし、まずは一発!」


「わふ~・・・・・・おっきなサソリですぅ」

 一方、砂船の後甲板上ではルルティーナ・アウスレーゼが機械族を眺めていた。

「とりあえず、このままじゃ砂船も・・・・・・何よりサンドリオンさんの身も危険ですから手早く止めないと・・・・・・ですねっ」

 ルルティーナは砂船から飛び降りると、『イグニートソード』を取り出し、もう一体のサソリの機械族に向かっていった。

「それじゃあ、足狙い、いっきますよう! せーのっ・・・・・・!」

 足元まで来ると持っていた剣を振り下ろした。しかし、装甲は厚く簡単に弾き返されてしまう。

「やっぱり、硬っいですう! 機械族は、すっきり斬れなくて面倒ですう! だったら・・・・・・って、わふー!」

 突然、視線の中に入ってきたのはサソリの尻尾だった。尻尾はルルティーナを刺すように追いかけてくる。
 なんとか回避するも刺さった砂には握りこぶしくらいの穴が開いた。実際に刺されたら一溜まりもないだろう。

「串、刺しは、嫌ですー!! 切り裂けっ、紅炎っ!」

 彼女が剣を振ると、コアの魔力により剣身が燃える。その剣でサソリの尻尾の先を切り落とした。

「わふ~♪ やりましたぁ、これで針は怖く───きゃいんっ!!」

 上機嫌になっていたルルティーナの元に今度は鞭を打つようにサソリが尻尾をぶつけてくる。
 咄嗟に尻尾へ剣を突き刺したが、その勢いのままに空中に打ち上げられた。


 ふと舞花がサソリの機械族を注視していると、その頭上にはサンドリオン・カルネールが立っていた。

「・・・・・・サソリ型機械族を指揮している思しき女性は“靴”を媒介にして操られ、かつサソリ型機械族に固定されている様子です」

 他の冒険者に伝えると、その間に彼女は元凶とも言えるガラスの靴を狙う。

「きっとサソリさんの頭脳か起動装置になっている彼女を説得して解放すれば止まると思うのネ」

 一方、ロレンツォ・バルトーリは積極的にサンドリオンが乗るサソリの方へ向かった。

「心の痛み、少なくとも和らげるのが、神職お仕事ネ。サソリさん動いてるのも、
 彼女の心が闇にとらわれたからっぽい・・・・・・にしてもフクザツな家庭環境」

 ロレンツォはサソリの動きが鈍った隙を見て、身体の上に登っていく。

「体表ほどに近ければ、サソリも攻撃しにくいハズ」

 そして、サンドリオンのもとまで歩み寄った。彼女は警戒するものの、攻撃してくる様子もない。
 その間に敦也はすぐに弾を装填すると、再び狙いを定め発射した。
 彼は先ほどと同じサソリの胴体に当てては乱気流で身体を浮かせ体勢を崩させようとした。
 徐々にではあるが、装甲も壊れ始める。

「全く血は繋がってないけど、きょうだいで強引におせっかいするタイプだったのネ。
 仲、よかった? 好きだった? 世話焼きのお姉さん」

 ロレンツォの問いかけにサンドリオンの表情や瞳に迷いが見えた。

 デザトリアンに仕事を奪われたことにより楽にはなったが、
 別の物を手に入れられなくなってしまったという感覚があったからだ。

「確かに仕事全部取るのはよくないヨ。お姉さんはきっと仕事の他に趣味や好きなことがないのネ。
 仕事の量をこなせることが自分の価値だと思いこむ、社畜さんの特徴。だから、それ以外に価値がないと思い込む」

 彼はサンドリオンの足元まで近づき、まるで王子様のようにひざまづく。

「やさしく教えて、そばにいて、って頼んでみない? ご両親の意見はほっておいて、
 ね?貴方が大切、必要と気づけば、行動変わってくれると思うナ」

 ロレンツォが言うと、サンドリオンの瞳に光が戻った。それと同時に『魔革の包帯』を巻き付けた拳でガラスの靴を砕く。
 一方そのとき、打ち上げられていたルルティーナはサソリの真上に到達していた。

「ここ、ちょうどサソリの胴体の真上!・・・・・・タダではやられ、ません!」

 位置を確認しながら両手に剣を持ち直す。

「サンドリオンさんの位置は大丈夫。ならっ、二重機装っ! ダブルコア、フルドライブっ!」

 ルルティーナが両手の剣を振り上げると、それぞれの剣は炎と氷を纏った。

「今止めてあげますっ! これで、止まれええぇぇ! 蒼紅双連撃っ!!」

 彼女はサソリの背中めがけ剣を振り下ろすと、熱と冷気により装甲が破壊される。
 同時に舞花は弾に「必中」の術式を刻み、発砲すれば他の冒険者やサソリの攻撃を避けながらガラスの靴に命中した。

「いくら魔法耐性があるからって何度も何度も撃ち抜けばいずれ貫通するはずだ!」

 敦也が最後の弾を発射すると、魔力で鷹に変化させサソリにぶつけた。
 冒険者たちの攻撃により、サソリの機械族は爆発した。指揮する者がいなくなった周りのサソリたちも動きを止める。

「やったぁ、ですっ!」

 ルルティーナが持っていた剣を掲げ喜んだ。敦也の方は周囲を見回した。

「そういえばサソリの上に乗ってた奴はどこいった?」
「ここにいるネ。サンドリオンさんもダイジョーブ」

 ロレンツォはサンドリオンを抱えながら颯爽と現れる。
 全員が一斉攻撃をする直前、サンドリオンとともにサソリの機械族から飛び降りていたのだった。

「大丈夫ですか。もしよければこれをお飲みください」

 舞花は持参していた『琥珀亭のハニージュース』を差し出した。
 サンドリオンが口にすると、体力が回復し自分で立ち上がれるようになった。



 その後、冒険者たちはサンドリオンをザンテンブルクの中心街まで連れて行った。
 そこで彼女は酒屋から出たデザトリアンと再会する。
 謝りながら抱きつくサンドリオン。
 砂漠での暴走を知らないデザトリアンだったが、彼女を慰めるように抱き締める。
 砂漠に落ちる夕日が2人を温かく照らした。


  おわり


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担当マスターより

▼担当マスター:イヴェール

マスターコメント

この度は本シナリオにご参加していただき誠にありがとうございます。
シナリオガイド・リアクションを担当させていただきましたイヴェールです。
砂漠地方ではありますが、ローランドは一年ぶりにシナリオを書きました。

冒険者たちのおかげで酒場で暴れていた盗賊団は捕縛され、
サソリの機械族も倒すことができました。
デザトリアンとサンドリオンも仲直りし、2人で生きていくことになるでしょう。

しかし、怪しい水晶を色んな人々に渡していく人物が気になりますね。
目的は一体なんなのでしょう・・・・・・。

次回も楽しんでいただけるようなシナリオ・リアクションを書いていきますので、
よろしければ、参加していただけると幸いです。

では、また!