クリエイティブRPG

兄を探して!

リアクション公開中!

 104

兄を探して!
リアクション
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10  Next Last

第一章 待つだけならば、いっそのこと
 時は冒険者達が遺跡に集まる少し前の話。

 アルデアは家にやってきていたロレンツォ・バルトーリにある誘いを受けていた。
「……えっ、俺も?」
 その誘いというのは、共にライアーを探すための旅に出ないか? という誘い。
 待つだけが出来ることではないのだと諭すように、ロレンツォは笑みを浮かべてアルデアに手を差し伸べていた。
「そう。それだけ心配するなら一緒に来るといいネ」
「で、でも、あの、冒険ってそういうのに手続きが必要なんじゃ……」
「あ、大丈夫ヨ。許可とか全然いらないし、何か言われたら私達が説き伏せるからネ!」
「へぁ……いいんだ……」
 冒険者稼業ってそんな気軽でいいんだ、とちょっと驚いたアルデア。
 本当に自分が行っても大丈夫なんだろうか。他の冒険者に迷惑なんじゃないか。等色々と考え込んでいく。
 そんな彼が少しだけ考え込んでいる合間にアリアンナ・コッソットが優しく声をかけた。
「待ってるだけじゃ心もとなくない? それなら、いっその事冒険者として飛び込んでしまうのも悪くはないわよ?」
「でも、そうしたら皆さんが……」
「んー、私は別にいいと思うけどな。むしろ、あなたも力になれるようになったら素敵じゃない?」
「俺が……」
 アリアンナの言葉に悩んでいた様子のアルデアは吹っ切れたようで、まずは何をすればいい? と冒険者達に問いかける。

「ああ、それじゃあ……」
 最初に声をかけたのはシン・カイファ・ラウベンタール。遺跡の構造がわかるメモなどがあれば、それを借りたいと言う。
 考古学知識を持つ自分ならば、多少の見当はつけられるのかもしれない、と。
「わかった。ええと、確かこの辺に……」
 ごそごそと近くの机の引き出しを開けると、アルデアはあった、と分厚い手帳を取り出してパラパラと中を見る。
 今回で向いた遺跡の情報が記された調査メモのページを見せてもらい、いくつかの情報を確認するとシンは気づく。
 この遺跡は落盤の危険性が高く、もしかしたらライアーは身動きが取れなくなっているかもしれないと。
「えっ、じゃあ、兄貴は……」
「おそらくだが、落盤で崩れた岩で動けないかもな。だが、何処に入り込んだかまではわからないな……」
 それならば、と次に声をかけたのはジャスティン・フォード。彼は近くに待機させていたベアハウンドを呼び寄せると、アルデアにあることを頼んだ。
「じゃあ、ライアーの持ち物……匂いがついているものを借りたい。遺跡は迷路のように曲がりくねっていると聞くからな、匂いを辿って少しでもライアーの下へ行けるようにしたいんだ」
「ええと、何を持ってくればいいんだろう……」
「最低限匂いがわかればいい。あ、出来れば持っていけるもの」
「わかった!」
 アルデアはすぐさま部屋に戻ると、小さな布袋を持って来た。
 彼曰く、ライアーは冒険が始まる前には必ず煙草を1本吸うそうで、1週間前にも同じ煙草を吸ってから出かけていったそうだ。
 ジャスティンはそれを受け取ると、ふむ、と小さく頷いてからアルデアに感謝の言葉を述べた。

 あとは自分の準備をするだけだからと、再び部屋の奥へと向かったアルデア。
 そんな彼を見送りながら、クロハ・カーライルマルチェロ・グラッペリの2人はゆるく会話を続けていた
「アルデア君、ライアー君の話を聞いてたのはやはり憧れだったから、だろうか?」
「きっとそうでしょうね。けれど帰ってこなくなってしまって、不安になって……そうして私達がお誘いに来たから、チャンスだと掴み取ったのでしょうね」
「健気だな。……ただ、僕は少し不安だな」
「不安と言いますと……」
 クロハの言う不安とは、冒険者には得手不得手だけではなく、向き不向きもあるというところ。
 ライアーには冒険者という性質が向いていたが、アルデアが冒険者に向いているかどうかまではこの時点ではわからない。
 故に彼女は言う。――アルデアの気持ちが、最も大事だと。
「そうですね。……彼の気持ちが終わらないように、僕たちでしっかりと守って、2人を無事この家に届けましょう」
「きちんと守り通さないとね。……お、来たみたいだ」
 おまたせしました、と声をかけて戻ってきたアルデアの姿は……ライアーの冒険譚を聞いて、自分なりに必要な道具を集めたバッグを持ち込んでいる。
 何かあったときにはと教わった言葉を、彼は忠実に守っているようだ。

 そうして、彼らは遺跡へと向かう――。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10  Next Last