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【祓魔師/未廻組】祓魔師のカリキュラム5

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【祓魔師/未廻組】祓魔師のカリキュラム5
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 祓魔師の授業を通して成長する生徒たちのために、エリザベート・ワルプルギスは、魔道具の改良を行うことにした。
 そのためには幾つかの材料の収集をしなければならないのだが、幼い校長はイルミンスールの森で素材の採取を彼らの授業の一環として、カリキュラムに組み込んだのだった。
 必要となる素材がある領域は密漁者などを立ち入らせないため、エリザベートがアウラネルクという妖精に管理を頼んでいる。
 素材の元となるマンドラゴラの生息場所の調査を依頼した未廻組の者や、これから赴くであろう生徒たちを不審がらないように、お茶をしつつ話を通してあるようだ。
 だが、その魔法草が自生する領域へ末廻組であるウィード・フォン・ライヒスマリーネアンフェ・メレッツィーが足を踏み入れた瞬間。
 それは突如として彼らを捕まえ締め上げようとつる草を伸ばし襲いかかってきた。
 マンドラゴラの傍には緑色の髪をした美しい女性が佇んでいたが、その表情は恐ろしいものだったと、イルミンスールの校長に事の顛末を伝えた。
 ウィードの話にエリザベートは容姿からして妖精アウラネルクだと分かり、そんなはずないですぅう~!!と、強く否定の声を上げた。
 困惑する校長と対照的にラスコットは、姿の特徴からしてその妖精であることに間違いはないだろうと冷静に状況分析した。
 戦いに飢えた狂戦士のような容貌へ様変わりした様子からして、ステンノーという極めて好戦的な魔性の思念体が、彼女の意思に憑依しているのではと見立てた。
 そのため生徒たちは、魔道具を改良する素材の収集だけでなく急遽、アウラネルクからステンノーを祓う実戦も行うこととなった。
「予想はしていたけど、ほんと大自然って感じね。この森の中で仲間と連携してアイデア術を使おうにも、途中で襲われる可能性がありそうだわ」
 アリーチェ・ビブリオテカリオは魔法草に発見され襲われてしまうとアイデア術が扱いにくくなるのではと思い、指にはめたエレメンタルリングに視線を落とす。
「そういえば、ウィードとアンフェはタイミングを合わせる時って、どうしてるの?もしいい方法があるんだったら、試しに潤也にやらせてみるわ」
 前回の授業で編み出したアイデア術を使うための参考にするため、ウィードとアンフェにタイミングを合わせるコツを聞き、星川 潤也の腹の中心を狙うように拳を突き出す。
 その試しとやらのターゲットにされかかった彼は、すかさず腹に両腕を回しガードした。
「うぅん、ぼくたちは付き合いが長いからね。何も言わなくても、なんとなくわかっている感じかな」
 アリーチェの質問に対しウィードは腕組をしてどう返すべきか考え込み、互いに言わずもがなという仲だというふうに答えた。
「それでは何一つ参考になりませんよ?」
 以心伝心だけでは説明にならないと、アンフェは嘆息し突っ込みを入れた。
「まぁね。あくまでも、ぼくたちの場合だし。アリーチェちゃん、指のサインやハンドライトで光を点滅させたりする方法とかどう?それと離れている相手には、インカムみたいなのがあると伝えやすいかもね」
「そんな方法があるのね。明かり系は魔性たちに気づかれる危険があるし、場所によって使い分けが必要になりそうかしら」
 アリーチェはウィードから教わったことを覚えるため、手の平をノート代わりに指先で文字を書くようになぞった。
「あ、そうだ。さっき良い方法があれば試しに、潤也くんにって言ったよね?」
「ぇえ、そうよ」
 質問を確認するように言うウィードにアリーチェが頷く。
「(まさかそこを蒸し返すのか!?)」
 二人の会話を物騒な方向に捉えた潤也はビクッと身を震わせた。
「えっと、そーじゃなくて。ぼくかアンフェと手合わせしてみる?魔道具でも武器使うやつでもいいし。何々されたら、何々するみたいな手段を思いつきやすくなるんじゃないかな」
「確かに、相手の行動の予測して対処するのも必要よね。潤也、今の話ちゃんと聞いてた?」
「ぁっ、ぁあ」
 潤也は今度こそ拳を叩き込まれるという危機感から解放され、安堵感に満ち溢れる余りアリーチェとウィードの会話が半分しか耳に入らなかった。
「手合わせ?魔道具でもいいなら良い経験になりそうだね。どの先生に頼んでもいいの?」
 楽し気な話題に興味を持ち、小鳥遊 美羽が彼らの話に飛びつく。
「うん、もしやるとしたら一対一とかで。だとしても授業は、それだけじゃないと思うよ」
「いつもの授業よりも長くなるかもしれないんだね」
 ウィードの口ぶりからして何時でも万全な状態で備えておいたほうがよさそうだと美羽は考えた。
「確かに、相手の手段を予想することも必要だわ。今のところ、向こうは私たちの能力は軽視しているでしょうから、よい経験になりそうね」
 フレデリカ・レヴィは現時点で魔性は強い力を持つ者ほど初見の相手に対し、軽視する傾向にあるだろうと考えた。
 グレムリンを祓う実戦を通し彼らの人と異なる点として、相手を明らかに下に見た状況では、余力を持ち全力を使ってこない。
 故に人のように獅子は兎を狩るのに全力を尽くす、などということはあまりなさそうだ。
 子供じみた行動を超えた凶暴性はあったものの、こちらを遊び相手としてからかう様子が見られた。
「ステンノーに操られているマンドラゴラも厄介だわ」
 魔法草の方の対応にあたるためエミーリア・ハイセルターは、気配を気取られないようにシャドウタバードを羽織った。
「ところでマンドラゴラの叫び声の効果は、精神的な耐性で緩和可能なのかしら?」
 エミーリアはアンフェの方へ振り向き、今まで扱っていたスキルなどで叫び声による精神の乱れを防止することはできるのか訊ねた。
 万が一、数体の魔法草に囲まれて絶叫された場合、平常心を保ち続けられるとは思えない。
「えぇ、壱星さんが纏っているオーラの能力のようなものであれば。それと…ここから先が、彼らの領域となっています」
「それだけ分かれば十分だわ。さて、気を引き締めなきゃね」
 アンフェが口元に人差し指をあてる仕草を目にした他の生徒たちも一斉に口を閉ざした。
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