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貴方の記憶の行方

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貴方の記憶の行方
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■忘れても大切な家族


 快晴の昼、ネヴァーランド、ピノキエ。

「ネヴァーランドにクリスマスプレゼントにいいものないかなって思ったら、まさか……」
 偶然訪問していた藍屋 あみかは、神様の試練に巻き込まれてしまった。
 巻き込まれて早々、
「あら?」
 何やら寄って来る気配に気付き、振り返った。
 いたのは、
「子犬の背中に翼が……ネヴァーランドには、こんな不思議な生き物もいたんですね」
 シベリアンハスキー風の子犬姿に小さな鳥の翼を持った神獣だ。
「ふふふ、人懐っこくてかわいい子ですね。初めまして、私は藍屋あみかです」
 あみかは嬉しそうににっこり笑い、愛らしい神獣に名乗った。
 途端、
「……どうしました?」
 神獣は珍しそうに首を傾げた後寂しそうに、気遣うあみかの顔を見た。なぜなら、神獣、幼生神獣ファーブラ【幼生神獣】はあみかの大切な相棒だから。
「元気がなさそうですが」
 あみかは、しっかりと記憶を忘れていた。大切な家族の記憶を。
 ファーブラは何やら思いついたのか鳴いた。
「鳴き声、なにかメロディを……?(元気なさげですが、私を見てくれて……私に出来る事は……)」
 ファーブラの鳴き声にメロディが込められている事に気付いたあみかは、
「♪♪」
 じっと自分から目を逸らさぬ寂し気な視線に堪らず、ハミングでメロディを追う。
「♪♪(あ、少し嬉しそう)」
 自分の歌声に見せるファーブラの様子に嬉しくなったあみかは、ハミングを一層弾ませた。
 一人と一匹は、楽しく歌い続けついに夜が訪れた。

「……♪♪」
 あみかが最後の音を口ずさみ終えた瞬間、
「ファーブラ、見て下さい、綺麗ですね。優しい歌声も聞こえますよ」
 雪の結晶が頬に触れ、夜空にはオーロラが現れ、誰かの優しい歌声が響く。
 いつもの調子に傍らのファーブラは安堵したのか、嬉しそうに肩にちょこんと乗った。
「そう言えば、なにか大事な事を……」
 あみかは、愛情いっぱいの笑顔でファーブラを一瞥すると胸の奥がしんみり。
「ファーブラと命名したのは、ラテン語でお話やお芝居由来でしたね。寂しい夜に寄り添えるお話のように、歌や舞台を一緒にって」
 なぜだか、ファーブラと命名した時の事を思い出し、
「一緒にずっと、がんばってきたよね」
 改めて言ってから、
「そうでした、これ、いただきましょうか」
 持って来たキラキラフィードを取り出し、
「召し上がれ」
 ファーブラにあげた。美味しそうに食べる様をあみかは微笑まし気に眺めていた。

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