●サンタコスのクリスマスステージ裏にて
クリスマスイベントでのサンタコスのクリスマスステージの裏で、契約者達は口々に話し合っていた。
もちろん
契約者達もサンタコスである。
松本 留五郎がこう言った。
「わしはら
新年を迎えるための餅代を稼ぐ為にここに来たんや」
留五郎がそう言うと、留五郎の相方である
プラム・ブランシェがこう言った。
「うん、そうだよ。ボク達は
新年を迎えるための餅代を稼ぐ為にここに来たんだよ!」
続いて留五郎は、こう言った。
「クリスマス繁忙期は、労働者にはかき入れ時やからなぁ」
留五郎はそう言うと、こう続けた。
「餅代ゲットまでが仕事やで」
……何か論点がズレているのは、気のせいだろうか?
留五郎とプラムの言葉を聞いた
ミーナ・アルテンブルクはこう言った。
「ミーナはパーティー用の料理を沢山作ろうと思います」
謎の食事処「ゐる民」を運営しているミーナは、料理が得意なのだった。
留五郎とプラムがミーナにそんなやり取りをしていた頃、
空音 見透はこう思っていた。
(独り身だし、クリスマスは予定もないし、参加してみようか)
見透はサンタコスのクリスマスパーティーの手伝いをしようと決めていた。
邑垣 舞花は、
影野 陽太とこんな会話をしていた。
「
複数の友人からヴァイオリンやペンライトをいただいたので、この機会、
クリスマスパーティーの場でライブを行ってMV(ミュージックビデオ)を作成してみようと思います」
舞花がそう言うと、陽太はこう言った。
「
MV(ミュージックビデオ)を作るのですね。わかりました。
みんな(舞花・ノーン・スカイフラワー・空花 凛菜)のステージの撮影役は任せてください」
その時
潮浜 七海が舞花とノーンと凛菜のそばに来て、こう聞いてきた。
「あの、あなた方は何をやるんですか?」
すると、舞花がこう言った。
「私達は、クリスマスパーティーのステージをお借りして演奏を行おうと思います」
舞花がそう言うとノーンはこう続けた。
「
クリスマスパーティーは楽しいしね! 歌って踊るのも大好きだよ!」
ノーンに続いて凛菜はこう言った。
「素敵なクリスマスステージになるよう頑張ります!」
その頃、女子更衣室の鏡の前で
アレミア・レスキュラシオンと
アサリル・アイラルリーは、自分の姿を見ていた。
アサリルが「サンタコスのクリスマスパーティー」のポスター(を写したスマホの画面)を見たアレミアは、
あまり騒がしい場所は好きじゃないけれど、たまにはいいかもね、とOKしてしまったのが運の尽き。
「はぁぁ…」
アレミアは鏡に映った自分自身を見て深くため息をつく。
(
なぜバニースーツ? サンタっぽい意匠はこらされてるけど、これって絶対違うと思う)
どうやら、パーティには結構な数の人が参加していて、
残っていた衣装がバニーサンタのようなネタ系しかなかったらしい。
アレミアだけではなく、
アサリルもサンタの意匠をあしらったバニースーツを着ていた。
それだけがアレミアにとっての救いかもしれない。
アサリルは、恋人であるアレミアのバニーサンタコス姿を見て眼福眼福…… と、目の保養をしていた。
そして、
お互いに相手のバニーサンタコスが似合ってると思っているのであった……
その頃見透は小さくポツリと呟いた。
「全員サンタコスだと給仕やってるのが誰か分からなくなりそうだなぁ…」