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それぞれの世界での夏祭り・7

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それぞれの世界での夏祭り・7
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■子供達に甘い魔法を


 快晴の昼、アーク、トレッツ村。

「これは賑やかだな」
 村に入ったジェノ・サリスを迎えるのは、祭りに湧く住民や夏に相応し陽気な音楽。
「さて、俺も参加させて貰おうか。アークでは食料も限られているからな。たまには楽しませてやらないと」
 ジェノは口元を歪めた。参加する気満々だ。
「関係者に許可を貰いに行こう」
 ジェノは、速やかに聞き込みで祭り関係者を見つけ、演奏が昼休みに入っている間広場を借りる事に成功した。
 それだけでなく、
「参加の際に周辺の小石だとか、何らかの無機物をそれぞれ一つずつ拾ってきてくれるように頼んでおいて欲しい。無機物を拾ってきた者達にはプレゼントがある、と、一言添えるのも忘れないで欲しい」
 関係者に宣伝も頼んだ。
 その成果で、ジェノが広場に行くと子供が沢山集まっていた。

「プレゼントって何かな」
「石を拾って来たけど、どうするんだろ」
「石なんか食べられないよね」
 広場に集まった子供達はざわざわ。
「皆、よく集まってくれた。頼んでおいた無機物は拾ってきてくれたか」
 ジェノは『大注目!』を使い、ワクワクな雰囲気を醸し出すと共に、
「拾ったよーー」
 子供達の注目を集める。
「よし、俺に渡してくれ」
 ジェノに真っ先に渡したのは、
「お兄ちゃん、久しぶり」
 頭に青いスカーフをした6歳の可愛らしい少女。隣には手を繋ぐ同い年の少女。
「あぁ、久しぶりだな……お揃いの腕輪。もしかして……」
 ジェノも挨拶を返した。以前湖に腕輪を落とした所を助けた少女だ。少女二人の腕にある花が刻まれた石に気付き、初対面の少女の正体を知る。
「うん、初めまして、ラーナだよ。キーラちゃんに聞いたよ。お兄ちゃんが助けてくれたって、ありがとー」
 ラーナは、人懐こい笑顔でジェノに言った。
「あぁ」
 ジェノが返すと、
「お兄ちゃん、何かあったら、あたしとキーラちゃんみたいに頭に青いスカーフをした子達に声を掛けてね! 色々お手伝いをするお手伝い団だから!」
 ラーナは、誇らしげに言った。
「それは頼りになるな」
 ジェノは表情を優しくした後、
「さて、無機物を出してくれるか」
 キーラとラーナが出す石を『スィーツチェンジ』を使い手品のように飴玉に変換させた。
 途端、
「……食べてもいいの?」
「わぁ、飴玉だぁ!!」
 キーラとラーナを大いに喜ばせた。
「もちろんだ、今日の参加賞だ」
 ジェノは『顔面国宝』を活かした優しい表情で言った。
 ジェノのお菓子配りは、子供達を大いに喜ばせた。

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