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ようこそ、アークへ!

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■釣り日和


 快晴の朝、アーク、トレッツ村。

「そういえばアークに来てから戦いばかりで、全然のんびりできてなかったよなぁ」
「そうね」
 世良 潤也アリーチェ・ビブリオテカリオは、のんびりとした光景を前にこれまでの忙しさを思い出す。
「で、何するの?」
 改めて本日の予定を訊ねるアリーチェ。
「そうだなぁ。釣りとかどうかな? 丁度……」
 潤也は、周囲を見回した末に釣りに興じる三人組の子供達を発見。
「まぁ、別にやる事も無いから付き合ってあげてもいいわよ」
 アリーチェは、元々そのつもりでありながら、持ち前のツンデレから素直に言わない。
 とにもかくにも、二人は子供達に声を掛けに行った。

「なあ、俺達も混ぜてもらっていいか?」
 釣り道具一式を手に潤也が声を掛けてると
「いいよ。ボクはダイキ」
「アタシはジェンス。釣り勝負の練習中だよ」
「俺はクインス。三人の頭文字を取って釣り大好きクジダ隊だ。魚を沢山釣る、狙うは大物、釣りは戦いだ!」
 5歳の少年と少女、6歳の少年が歓迎してくれた。潤也とアリーチェも名乗った。
 挨拶が終わった所で
「釣り勝負ねぇ。随分気合が入っているわね」
 アリーチェは、子供達の発言が気になった。
「うん、アタシ達と同じ釣りが大好きな三人組と勝負するんだよ」
 ジェンスが答える横で
「今日は練習だから、釣れてもほとんど逃がしてる」
 ダイキは釣れた魚を逃がす。
「のんびり楽しむのが一番だって言うんだぜ! 釣りは釣れるから面白いんだ! 大物なんか、すげぇわくわくするぞ!」
 三人で一番熱いのはクインスだ。
「それなら、大物が釣れる穴場を教えてもらいたいんだけど……どこかにいい場所ないかな」
 潤也がおもむろに訊ねると
「あるぜ! そろそろそっちに行くつもりだったんだ」
「でも、舟を使わなきゃ、ここからちょっと遠いよ?」
 クインスとジェンスが笑顔で答えた。
「それなら、俺に任せてくれ。あっという間に着くからさ」
 潤也は不敵な笑みを浮かべた。
「じゃぁ、教えてあげるよー。あのねー」
 ダイキがにこにこと場所を教えた。
 という事で、アリーチェと子供達が乗ったバナナボートを潤也が乗る水上バイクにロープを装着させ牽引して目的地まで向かった。

 穴場に到着するやいなや
「釣りを始めようか」
 潤也が気合いと共に釣り糸を垂れると
「おーー」
 後を追うかのように子供達は声を揃えて、次々と湖に釣り糸を投げ入れた。
「……全く」
 アリーチェは妙に熱気を帯び始めた空気に肩を竦めつつ
「……楽しまないのはもったいないわね」
 釣り糸を垂れた。楽しむ気満々だ。
 しばらくして
「よっしゃ、釣れた!」
「アタシも」
「ボクも」
 子供達は次々と慣れた手つきで釣り上げていく。
「慣れたものねぇ……あら? 掛かったみたいね」
 子供達の手慣れた様子に感心するアリーチェも見事魚を釣り上げった。
 皆が次々と釣り上げる中
「ん……これは……重い……」
 潤也は釣り竿を引き上げようとするが、あまりの重さに動かず、今の状態を維持するので精一杯だ。
 一人では無理と判断した潤也は
「大物がかかった! みんな、手伝ってくれ」
 大声で皆に助けを求めた。
「はいはい、手伝ってあげるから……しっかり釣り上げなさいよね」
 アリーチェが真っ先に反応した。心根が優しい故に。
「手伝うぞー」
 子供達はクインスの合図で助けに加わった。
「そぉおれーーー」
 皆、心と力を合わせて釣り竿を持ち勢いよく釣り上げた。
「しゃぁぁあ」
 釣り糸の先には
「大物だぁぁ!」
 子供達が大興奮する程の大きな魚だ。
 この後も釣りに励み時間はすっかり昼となり
「もう昼かぁ。そう言えば腹が空いたな」
 潤也も空腹を感じ始めた。
「だったら、魚を食堂とかに持ち込んで料理して貰うのはどうかしら」
 アリーチェが提案すると
「魚はなぁ、釣りたてが一番美味しいんだぜ!」
 と言うなりクインスは、首に掛けているホイッスルを鳴らした。
 程なくして
「呼んだか、釣り大好きっ子」
 舟に乗った25歳の青年が現れた。
「もしかして、料理人か」
 潤也が聞くと
「おう、俺は船上の料理請負人のギビィアだ。その場で魚を食べたい人向けに商売をしているんだ。こいつらとこいつらの勝負相手達みたいな常連には笛を渡して、呼んだらすぐに料理をする取引をしてるんだ」
 ギビィアは事情を楽しそうに語った。
「呼んだらすぐにって、よく笛の音が聞こえたわね」
 アリーチェの指摘に
「俺は耳がいいんだ。で、どう料理をしようか?」
 ギビィアは自慢げに言ってから注文を取る。
「この村でよく食べられている魚料理を頼むわ」
 アリーチェが代表として希望を伝えると
「よっしゃ、焼き魚、揚げ魚、大物は切り身にして香辛料たっぷりのソースだな」
 ギビィアは喜々として料理の腕をふるった。
「これは、新鮮だからこその味だなぁ」
「へぇ……これが、この村の魚料理なのね。なかなか美味しいじゃない」
 潤也とアリーチェは、子供達と一緒に魚料理に舌鼓を打った。

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