クリエイティブRPG

奪われた身体

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奪われた身体
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第一章 無邪気な拷問

「さーてと……新しい身体を奪ったことだし、何から始めようかな? そうだ! せっかく婦警の身体を手に入れたのだから、街で大暴れしてみるか! 恐らく新聞の見出しは、こうだ。『婦警が突然の暴走! ストレス爆発で悪行三昧』ってな、ハハハハハハ……」 デイビルがそんなことを口にしながら笑っていたときだった。
 後ろから声が聴こえた。
「おやおや、婦警の身体を奪って悪巧みをするなんて、良いものではありませんね」
 振り向くと、そこにいたのは、凛々しい美少年・ヴィオ(古城 偲)だった。
 隣には、八重歯が特徴的な幼い少女・シャーロット・フルールが黒馬に乗り、その隣には小柄な美少女・ルルティーナ・アウスレーゼがいた。そして、背後には不良そうながらもどこか苦労人気質が漂う少年・フルール仮面(アレクス・エメロード)がいた。
 シャーロットがソウルサーチの感知で、デイビルを探し当てたのである。
「いたいけな猫ちゃん(=アンナ)の助けを聞きつけ、市街を黒馬(=ホーヴィちゃん)が駆ける! フルールシスターズ参上☆」
「フルールシスターズ、参上☆ですっ♪」
 2人が決め台詞を発したところで、アレクスがデイビルを軽蔑する目で告げた。
「女の身体を奪うヴィラン……男ならとんだ変態だろ。しかも婦警狙いってまたマニアックな」
「捕まりそうだったから、咄嗟にコイツの身体を奪っただけさ」
 自分の名前を呼ぶ辺り、自身の正体を既に見抜かれていることを察したデイビルは、口調を変えて誤魔化すことはなかった。
「それに、お前達は俺様を捕らえに来たのだな。だが、そう簡単に捕まる訳にはいかないな」
 と言って、デイビルは黒い光の玉を放ってきた。
 そこをアレクスがレーザーキャリバーによる≪無心≫で、黒い玉を切り払った。
 シャーロットとルルティーナは、デイビルに宣戦布告した。
「キミ、アンナちゃんじゃないよね? その身体、返してもらうよっ!」
「泥棒さん、アンナさんの身体、返してもらいますっ! アンナさんは危ないのでこちらへ♪」
 更に、ヴィオが告げる。
「僕にとっては平穏な日常こそ退屈とは程遠いもの。植物を育てて届けるのに大忙しだから、平穏を乱すデイビル君のやり方は嫌いだな。アンナさんの身体に乱暴することは出来ませんので、なるべく丁重に扱うよ。大好きな植物の様に……」
 そう言って、ヴィオはブースターブルームに乗って加速を付け、デイビルに向かって追い越した。
 その瞬間に、バタフライスケールズを放った。無数の蝶がデイビルの視界を塞ぎ、その隙にブレイブアタック≪僕の観葉植物になって≫を発動した。
 みるみると魔力が吸い込まれていった。さすがに永続的ではないのだが、魔力を吸われた後、デイビルは精神集中で魔力を回復させた。
 ヴィオは天使の様な笑顔を浮かべながら告げた。
「僕の魔力源として一生を過ごしなよ。大事に栽培してあげるからさ」
 彼の周囲から死の波動を感じ取った。並の人間なら恐れを成すだろうが、
「誰が魔力源になるか。本当は、そんなことをするつもりは無いのだろ。もし、本気でそう思っているなら今からお前がこの女を殺しても、今度は俺がお前に取り憑いてやる」
 さすが、その辺は優秀な魔術の使い手。相手を威圧させる為のハッタリであることは見抜いていた。
 そんなときだった。
「それじゃあ、仕方ないな。じゃあ、アレを使うか」
 2人のやり取りを呆れて見るのは、フルールシスターズのLC・フルール仮面である。
 彼は粉の入った袋をデイビルに投げつけた。すると、中から白い粉が溢れ出して、宙を舞う。
「な、何だ……これは……眠り粉……か……」
 粉の正体に気付いたデイビルは、慌ててかわそうとしたが、時すでに遅し。
 だんだんと瞼が重くなってきて、デイビルはその場に倒れた。
「よーし、これで大丈夫……」
 フルール仮面が敵の動きを封じて、ガッツポーズを決めようとしたところ、自身の視界がぼやけてきた。
 何と、あまりに無心に行動していたので自分まで粉を吸い込んでしまっていたのだ。
「大丈夫ですわ。アレクちゃん。あとは、ボクとルルちゃんがデイビルをやっつけてあげるから。あと、アレもよろしくね」
「……あぁ……シャロ、わかったぜ……ZZZ……」
 フルール仮面は、安心して夢の世界に堕ちていった。

「何なんだ、これは……? 確か、俺様はあの仮面を付けた男に眠らされて……」
 デイビルが目を覚ますと、水の中だった。
「がはぁっ……!」
 空気が気泡となって吐き出され、水が口の中に侵入していく。
 実は、フルール仮面が眠る直前に、万世大漁を使って、溺れ飢餓に苦しむ幻影を見せているのである。
 ハッと目を覚ますと、そこにいたのは無邪気に微笑む2人の少女・フルールシスターズである。
 
「やっと目が覚めたんだね!」
 そう言うのは、シャーロット。
「ごめんなさい、また暴れられると困るので、パラサイトビーンであなたの動きを封じちゃいました」
 そう告げるのは、ルルティーナ。
 道理で身体中に何かが巻き付いていると思ったら、何と全身に植物の蔓が絡まっていたのだ。
「何なんだ、これは! 俺様をどうする気なんだ?!」
 拘束されながらも大魚の様にビチビチと動くデイビル。だが、ルルティーナはクスクスと笑う。
「うふふ、抵抗しても無駄ですよ? それに、そろそろ虚脱の香りが効いてくる頃でしょうし、直ぐに動くことすら出来なくなります♪ あとは~エターナルチャイルド♪ 貴方は、幼い子供にな~る、な~る♪」
 ルルティーナは呪文を唱えた。
「ぎゃあああああっ! 何をしゅるんだー!?」
 虚脱の香りとエターナルチャイルドの効果で、精神も力も子供並みになってしまったデイビル。さすがに、身体は元のままだが本人は子供にされたと思い込んでいる。
「ですけど、術を解いてくれないのでしたら~」
 ルルティーナは悪食のチョークを飲み、デイビルに顔を寄せて頬をペロリと舐めた。
「ん、美味しそう♪ わたし、我慢出来ずに貴方を食べちゃうかもしれません♪」
 普通なら、ここで身体を返してあげても良いのだが。
「おれちゃまを食べてもムダだぞ。このおんながしぬか、”てんせいのじゅつ”をとかないかぎり、おれちゃまのたましいが、このからだから、はなれることはない!」
 それを聴いて、2人は驚いた。だが、2人はすぐに顔を見合わせて笑った。
「なにがおかしいんだ?」
 すると、ルルティーナが答えた。
「大丈夫ですよ。舞花さん達がきっと何とかしてくれますから」
「ほかにもなかまがいるのか?」
「そうだよ。でも、勝手に逃げられると困るので、それまで、ボク達がきっちりとオシオキしてあげますからね」
 シャーロットの発言に、恐れを成したデイビルは、悲鳴を上げたのであった。
 
 なお、眠りから醒めた瞬間に、フルールシスターズのオシオキを見たフルール仮面は、「女って怖ぇ……」と思ったそうだ。
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