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いにしえの村の祭儀

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いにしえの村の祭儀
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*--序--*

「ここが悠月村かぁ」
 神納木 雷は、目の前に広がる緑豊かな景色をゆっくりと眺めた。帝都とは違い、吸い込む空気が心地よく肺へ届く。
 五十年に一度行われるという祭儀を成功させるため、雷は修祓隊を率いてこの悠月村へとやってきた。
「代表の方のみ、村長のところへご案内いたします。恐れ入りますが、お連れの方々は別室にてお控えください」
 村長の屋敷につくと、修祓隊を村へと案内してくれた男が言った。
 屋敷はかなり広く、大人数が待機できる部屋はいくつかあるようだ。
 修祓隊の代表として、雷ひとりが村長の部屋へと向かった。
「わざわざご足労いただき、かたじけなく存じます。私が悠月村の村長でございます」
 恭しく頭を下げられ、雷は恐縮した。
「と、とんでもないです」
「お疲れのところ恐縮ではございますが、さっそく祭儀の詳細についてご説明させていただきます」
 村長は、目の前の机に地図を広げた。この集落の周辺図のようだ。
「私たちは、この悠月村を中心として、陽明村、星瞭村の三村でお互いに助け合いながら生活をしております。
 それぞれ小さな村ですが歴史は古く、代々受け継がれてきたものが多くございます。そのひとつが、今回の祭儀でございます」
 選ばれし巫女が宝珠に祈りを込め、集落の平穏を祈願する――
 というのが、祭儀の内容らしい。
 それにより、集落には不浄が近寄らなくなるそうだ。
 祭儀に必要な宝珠は陽明村、祭儀を行う祭壇は星瞭村が、それぞれ護ってきた。
 そしてこの悠月村は、代々巫女を輩出してきたのだという。
「その巫女が、何やら不穏な気配を感じるとのことで六明館学苑へ使いを出した次第でございます。
 私共にはその詳細は分からないのですが、確かにこのところ野盗が出たというような話も耳にしております。
 詳しくは明日、巫女と引き合わせますので……」
「分かりました。巫女様、祭壇、宝珠をそれぞれお護りするため、三隊に分けるつもりです。手練れが集まっているので、どうかご安心ください」
 雷が言うと、村長は安堵した表情でゆっくりと頷いた。

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