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ロディニア、とある日常

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ロディニア、とある日常
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●サッカー観戦
 コロシアムでは、【バード・バート】対【キャット・キャット】のサッカー試合が行われ、警備員たちが待機している簡易テントでも、試合の状況をラジオで聴くことができた。
 御子柴 瑞稀は、臨時アルバイトとして警備の仕事を手伝っていたが、試合が始まると、他の警備員たちと交代で、会場内からサッカーの試合を見ていた。
「わたしは、【鳥】が勝つ方に賭けるよ」
「ほう、なら、俺は【猫】だな」
 警備員たちは、瑞稀の提案で、どちらのチームが勝つか、賭けていた。
 賭けると言って、負けたチームを応援した方が、勝ったチームを応援した者に夕飯を奢るというものだ。
 瑞稀は戦闘がない日常の時は、変身することはせず、アルバイトをして過ごしていたのだ。
 今回のアルバイトも、そういう経緯からだ。
 セイヴァーとしての瑞稀は『翡翠木菟』……木菟は鳥ということで親近感が湧き、応援するのは【バード・バード】のチームだった。
 だが、普段と変わらぬ姿の瑞稀がセイヴァーだとは、その場にいた警備員たちは、誰一人として気付いていなかった。
「おい、会場の上を見てみろよ」
 警備員の一人が、会場の上を指さす。
 ふと見上げると、私 叫が龍転身で巨大化し、龍飛翔を駆使して、会場の上を飛行して、舞っている姿が見えた。
「にゃんこ・にゃんこ……とりさん・とりさん…? どっちも応援するにきまってるじゃないかっ」
 太陽のごとき、勇者の祝福のような光が放たれる……【アマテラス】の奥義だ。
 両サイドにいるチームのサポートたちは「あれは、何だ?」「龍の姿してるよ」と騒ぎ出していた。
「にゃんこさんも、とりさんも、どっちも、がんばれなのん。みんな、元気になってほしいのー」
 巨大な龍がゆらりゆらりと飛行して舞う。
「あったかい、おひさま、たくさん、ふりまくなのー」
 それが、私 叫だとは、知る由もなかった。
 サッカーの試合は、順調に進み、【バード・バード】の選手がゴールを決めて、前半が終了した。
 セイヴァー・ダーキニーに変身した八上 ひかりが、【キャット・キャット】側の客席に立ち、名乗りをあげた。
「【キャット・キャット】の選手達に、茶吉尼真天の御加護あらんことを!」
 剣と宝珠を手にした天女のような美少女こそ、セイヴァー・ダーキニー、その人であった。
 そして、サポートたちに呼びかける。
「みんな、タオルを広げて!」
 セイヴァー・ダーキニーがそう叫ぶと『マジックグラフィー』が発動して、コロシアムの電光掲示板に【キャット・キャット】の選手たちの名が刻まれたタオルに描かれた応援メッセージが、いくつも映し出されていた。
「まだ前半だぜ、後半で巻き返してくれ!」
「がんばれ! 俺たちは、最後まで、信じている!」
 粋な演出に、【キャット・キャット】の選手たちのモチベーションは上がり、サポーターたちも大いに盛り上がっていた。
 一方、その頃。
 カズコ・カッチンは、【バード・バード】側の客席に座り、試合を見ていた。
「懐かしいな。サッカーを見てると、子供の頃を思い出すよ」
 カズコは、小学生の頃、放課後に男女混合でサッカーを楽しんでいたが、チームメイトの中には、特に上手い先輩がいたことを回想していた。
「先輩も、サッカー上手かったな……プロ選手の試合が見られるなんて、思っても見なかったよ」
 カズコは試合前に変身してから、客席に来ていたが、興奮のあまり、飛び跳ねそうになっていた。
「いけない、いけない。落ち着かなくちゃ」
 そう自分に言い聞かせて、カズコは引き続き【バード・バード】のチームを応援することにした。
 後半戦は、両チームとも中盤でのディフェンスで、しばらく流れが止まっていたが、一瞬の隙をついて、【キャット・キャット】の選手が放ったシュートが、ゴールへと繋がり、結果、引き分けとなった。
 その試合を見ていた瑞稀は「ドローか」と、少し悩ましい表情をしていた。
「こうなると、賭けも引き分けになるね」
「まあ、そういうことになるが、せっかくだ。夕飯は、近くの出店で集まって、みんなで食べようぜ。もちろん、割り勘でな」
 少し年上の警備員がそう言うと、瑞稀が「割り勘ね。良いよ」と応えた。
 警備員たちは、最後の仕上げ仕事をしてから、瑞稀を連れて、楽しい一時を過ごすことになった。
 
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