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ヒロイックソングス!

クリスマスパーティーへご招待♪

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クリスマスパーティーへご招待♪
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 パーティの参加者たちが会場に集まり賑わいを見せ、舞台袖では剣堂 愛菜がその光景を見ていました。

(クリスマスの時期に楽しませるのがアイドル。あたしとしては、ここのお客様に自分だけの特別な1日を過ごして貰いたい……)

「剣堂さん、準備は宜しいでしょうか」

 ジョーカーに声を掛けられ、思考を中断した愛菜はこくりと頷きました。
 会場の光源が薄暗くなっていき、さざめく会場が徐々に静かになっていきました。

「では、宜しくお願い致します」

「はい。あたしが一生懸命歌うことで少しでも大切な1日を過ごして欲しいですから」

 恭しくお辞儀をするジョーカーに愛菜は微笑みを見せ、薄暗くなった舞台の中心へと歩みました。

(あたしは大きな声が出ない病気の子。でもそれはマイクさえあれば歌えない訳ではない)

 歩みを止め、閉じた瞳で思い描く過去、現在、そして未来。

 愛菜の唄う曲の前奏が会場に流れて行きました。

 自分の運命は自分で決めてきた愛菜。
 その誇りを胸に抱き、暗闇の中、ゆっくりと瞼を上げました。

(リフレイン☆クリスマスを唄おう。大切な日だと気づいた貴方に向けて、このウタを)

 黒く輝くスタンドマイクを手で支え、息を吸い込むと愛菜の高い声が会場に届けられ、その声を邪魔する音は一つもありませんでした。

眠たい 瞼を 開けると いつもより 眩しい朝日
隣から 聞こえる 喜び声 今日は 何か あるのかな


 美しい歌声に合わせて、愛菜へとスポットライトがゆっくりと近付いて行きます。

(クリスマス、人によって様々な立場がある。この日を楽しませようとする人に気づいた貴方が少しでも幸せになれますように……)

予定も 何も 埋まってない 僕に 君の歌が 響いてくる
今日は クリスマス ナイト
そうだ いつもと 違う日常


 薄暗い会場にある淡い照明の中、一生懸命に唄う愛菜の気持ちが歌声に乗って届けられて行きます。

年に 一度しかないから
大切にしてる人がいるんだ


 愛菜が手を伸ばすと、会場には恋心を思い起こさせる様な甘く優しい香りが漂いました。

さぁ お菓子でも買いに行こうか
自分へのプレゼント


 伸ばした手を空中に浮かんでいたチョコレートの幻影を優しく包み込むと、幻影は本物となり、愛菜はそのまま口に入れ、広がるカカオの香りを楽しみました。
 見ていた人達も愛菜に倣い、チョコを手にすると笑顔が見られ、愛菜は満足そうな笑みで一礼すると舞台からゆっくりと降りて行きました。


♢ ♦ ♢



 薄暗かった会場に明かりが戻り、舞台袖では人見 三美伏見 珠樹が控えていました。

「さぁ、三美。ハレの日らしい、楽しませるライブで皆様を魅せて行きましょう」

「はい! クリスマスらしい、楽しいライブを披露したいですね」

 二人は手を取り合い、舞台の光の中へと足を踏み入れました。

 三美の衣装は赤のベルベットをベースとし、ふわりと揺れるスカートに白のファーが添えられ、手にはグローブが身に付けられ、衿と袖にファーでデザインが施されている可愛らしいサンタクロースの姿で頭には兎のりんぞうがサンタクロースの帽子を被って寛いでいました。

 珠樹は三美の装いと統一感のある赤をベースとしたサンタクロース風の衣装に金と白に彩られた豪華なデザインが施され、背中には飾剣が浮遊していました。

 すぅっと息を吸い込んだ三美が両手を広げると、りんぞうを中心に光の線が糸の様に動き、その動きに合わせて雪の様に光の粒が零れて行きました。
 光線で出来た美しい舞台の上に珠樹が立つと背中に浮遊していた飾剣が珠樹の目の前に降り立ち一瞬にしてマイクの形へと姿を変えます。

 準備が整った事を珠樹が三美にアイコンタクトで示すと、三美はエアギターを奏でるように腕を動かすとクリスマスの賑やかなホログラムが舞台に現れ、色彩や外見・音色を操り、変化していくホログラム、そして、音楽を奏でて行きました。
 三美のホログラムや演奏に合わせて珠樹の歌声が会場に広がります。

 二人の歌声と演奏される音色は空を響かせ、自然光がスポットライトの様に二人の元へと集まり、人々の目を惹きつけて行きました。

 りんぞうは三美の旋律に添う様にスズの音色を響かせ、三美がりんぞうの背中を撫でるとりんぞうの身体の一部に星の模様が出現し、三美はりんぞうを促しました。
 促されたりんぞうは「任せて」と言う様に光の舞台から会場までを駆け回り、りんぞうの残像が長く尾を引いてキラキラと輝く星が連なった天の川を作り出していきました。

 会場は料理を楽しむ人、音楽を楽しむ人、演出に魅入られている人など、様々な感情を表していました。
 唄い踊りながら三美に近付いた珠樹はそっと囁きます。

「クリスマスというハレの日に抱く喜びを高められるように更に盛り上げていきましょう」

「はい!」

 三美の笑顔での返答で珠樹は歌を、三美は演奏で盛り上げをみせると、流星群が降り注ぎ、りんぞうが輝きながら二メートル近く大きくなるりました。
 光が収まると背中に真っ白な翼がバサリと生え、三美の足元に近付きます。
 三美はりんぞうの頭をひと撫でし、ひらりとりんぞうの背に跨り、会場を飛び回り、星屑を会場へ振り落としていきました。

 会場へ飛び立つ三美を見送った珠樹が右手と視線を右へと向けると光の波の中から砲口が姿を見せました。
 その切っ先から無数の光の弾が出現し、珠樹の周りを踊る様に飛び回ります。

 珠樹の唄うメロディに合わせ一つまた一つと花火のように弾け、舞台を華やかに彩って行きました。

 曲が終盤に近付くと、りんぞうの背に乗った三美が舞台へと戻り、三美と珠樹で大きくなったりんぞうを間に挟み、曲がスズの音色の余韻を残して終わりを告げました。

 珠樹と三美は会場に向けて口を開きます。

「まだまだパーティーは始まったばかりです!」

「この後のライブも楽しんで下さい!」

「皆様の健康と幸せを祈って―――」

「―――皆様に沢山の幸せが訪れますように!」

 三美と珠樹は顔を見合わせ、小さな声で「せーのっ」とタイミングを合わせます。

「「メリークリスマスっ!」」

 リィィンとりんぞうもスズの音色で「メリークリスマス」と伝えました。

「今年も色々とありがとうございました!」

「来年もよろしくお願いします!」

 笑顔で言葉を紡いだ三美と珠樹に会場から拍手が送られました。

 三美は通常のサイズに戻ったりんぞうを抱きかかえ、珠樹と共に拍手の音を背に舞台を後にしました。

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