序章
グン・イエン博士は、サイトロプスの山岳地へ一人足を踏み入れた。
周囲には人がおらず、風の音が聞こえるが、本人はそんなことなど全く気に留めなかった。
だが、そんな甘い考えで事が進む訳がなく……。
「ギャアアアアアッ!」
突如、向こうからガーゴイルの姿をしたモンスター達の吠声が聞こえてきた。
彼らは、博士を侵入者と思い込んで威嚇している。だが、
「フン、ワシを舐めるんじゃないぞ」
と言って、ハンドガンを撃った。弾はモンスターの身体に命中したが、痛くも痒くも無い。
それでも、何発か撃ったが、モンスターは弾を拾ってそれを口に入れて豆を食べるかの様にボリボリと食べた。
「何じゃ、こやつは。弾を喰うのか?」
まさかの展開に驚く博士。
ようやく身の危険を感じて、その場から逃げ去ろうとしたが、モンスターは長い爪を伸ばして襲い掛かって来る。
「センセ、危ない!」
突如、女性の声が聞こえた。それと同時に誰かが自分を抱えてくれた。
「良かった、無事でしたね」
安堵した表情を浮かべるのは、
ヒルデガルド・ガードナーだった。彼女は緊急手段で博士を助け出したのだ。
「ここからは、危険です。博士は、後ろに下がっていてください」
ノルの言葉に、博士は相手の顔から視線をそらしながら、
「しょうがないのぉ」
と答えた。
第一章 グン博士を護衛せよ
「私は正面切って戦えるタイプではないので、からめ手を使って考えましょう」
ノル・マンディは、二液混合タイプの接着剤を別々の瓶に入れて食わせる事が出来れば、口を塞ぐことが出来ると考えた。口を塞げば接近戦が楽になると考えたからだ。
接着剤は、あらかじめ宇宙船のメンテナンスキットや工具箱から持ってきてそれを混ぜ合わせたもので、それを真っ先に敵の口へと放り込んだ。
「そんなに無機物が好きなら、これならどう?」
ほとんどの液体は体内に流れていったかもしれないが、それでもしばらくすると、口がくっついて食べることが出来なくなってしまった。これでは、もはや食事が出来ない。
「よーし、皆、敵の口は封じたわ! 今が攻撃のチャンスよ! 応急手当は私がしてあげるから、安心して」
さすがに、全員分は出来なかったが、何体かの口を封じただけでも、多少は楽になるだろう。
ノルの掛け声と共に、一同は一斉に攻撃を開始した。
「おっと……動きは単調ね。ノルさんが敵の何体かの口を封じてくれたおかげで、多少は攻撃しやすくなっているけど、油断は禁物ね」
ヒルデガルド・ガードナーは、のんびりとしつつも、スペシャリストの神髄でしっかりと周囲を警戒した。
どんな状況でも戦場で危険を感じてきた抵抗者としての勘で、緊急対応する。
ハンドガンで敵を牽制をしつつ、アンチシールドレーザーで確実に屠っていった。
「他の仲間も博士を守ってくれるわ。安心して、あなたを見捨てることはしないから」
と博士に告げると、戦場に戻って行った。
その後も、他の仲間の邪魔をしない様に、無理をしない範囲で博士を護衛した。
「博士の護衛をしっかりやって、ボーナスにロステクを貰えるよう頑張るぜ! 多少大変でも金のためには言う事を聞かねえとな。積極的に活躍して、ボーナスを弾んでもらうぜ! しっかり稼いで、孤児達に美味い飯を食わせてやりてぇからな」
自分と孤児達の生活の為に、多少汚い手を使ってでもお金を稼ぎたい
姫宮 和希は、博士に同行して、常に周囲を警戒した。
敵の数が多いので、ヴェノムグレネードを放り込んだ。
たちまち毒が込み上げて、敵が苦しんでいる隙にアームガンからFPW2-インフェルノを放った。辺り一面を強烈な炎が覆い、敵を一気に焼き尽くした。
さすがに、これだけでモンスターを全滅させることは出来なかったが、何体かは退治されたことでかなりダメージを与えることは出来た。
「まぁ、何体かは毒の効果が残っているだろうから、今後もFPW2-インフェルノを使えば、削れるかな? MPが心配だけど」
その後も、チャージを入れつつFPW2-インフェルノを使いながら敵の数を減らしていった。