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新クレギオン

深き密林に紛れしモノ

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深き密林に紛れしモノ
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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 * 未開拓地の探索・Ⅴ *



 予定していた探索範囲の最深部。
 ここは特に電波状況が悪く、通信機はほぼ役に立ってはいなかった。

「仲間がいる範囲だけでも連絡が取れるのは不幸中の幸いだね」
 烏丸 秀は発信器を装填した銃を手に十数メートル圏内に散らばる仲間“楽園の泉”に目を向けた。
 ライナルトや他のメンバーとは途中から連絡が途絶えてしまったが、ここまで秀を中心に探索を続けてきた。
 凶暴熊との遭遇もあるにはあったが、仲間七人で取り囲もうとした矢先に逃げられてしまいロステクに繋がる成果は未だ無いままだ。
「警戒心が強いのか、この人数に無鉄砲に突進してこない辺りちょっと厄介ではあるよね」
 チームの後方でグラビティカノン【ブラックホール・バースター】を手に進むアイン・ハートビーツがぽつりと零す。
「逆に集団で来られたらこっちが危険に晒されそうだけどね」
「判断を間違えないようにしなくちゃね」
 夏色 恋の懸念に天城 摩耶が賛同し気を引き締める。
 そんな矢先、パテル・ヴィシャーナが誰もいない左に素早く顔を向けた。
 リスクプレダクションで見た一瞬先の未来に、パテルは反射行動で秀に体当たりするように飛びつき、叫んだ――。
「全員避けてっ!!!」
「「「――っ!!?」」」
 メンバーが一斉に道を開けるようにその場から距離を取る。
 そして濃い密林から突然現れた黒い物体に目を見張った。
 普通のクマの三倍はある巨体が目の前を猛然と駆け抜けていく光景に一瞬呼吸を忘れるが――、
「逃がさないよっ」
 秀は倒れ込んだ体勢のまま握っていた銃で大きい的に狙いを定めて発信機を撃ち込んだ。
「――星野!」
「ええ、大丈夫です。離されない限り追跡できます」
 密林に溶け込みやすい迷彩服を着た星野 空兎は、ウェアラブルコンピューターを起動させ、秀が猛獣に取り付けた発信機の作動を確認しながら返事をする。
 全員で追うと警戒される恐れがあるため、秀は空兎とトスタノ・クニベルティの二名に追跡を頼むことにした。
「僕に任せて! 見た目からしてミュータント遺伝子かナノマシン的な物が取り込まれているんじゃないかな!? これは人類進化の為の論文のネタになるやつだよっ!」
 クマかさえ判断がつかない凶暴化した生物――トスタノの探究心に火がついたようだ。

 二人が追跡を開始して数分後、猛獣が現れた方向から今度はライナルトがやってきた。
 その後ろからクラウス、アミル、サトリ、コイシも姿を現す。
「良かった。全員無事……いや、数人足りないか?」
 心配するライナルトと行動を共にするクラウス達に秀は状況を説明した。
 クラウスもまた凶暴熊を追ってきたことを説明し、塗料が消えかけていたところにこうして合流できたことに安堵したと打ち明けた。
 そして再びライナルトが口を開く。
「あの猛獣は恐らくクマのボスだ。本来クマは群れを成さないが、ロステクの影響で知恵がついちまったと見ていいだろう」
「じゃああの巨大なクマを倒せば他も大人しくなる可能性があるってこと?」
「それはまだ分からん」
 秀の質問に首を振るライナルトだが、泉を探すのが解決の近道であることを伝えた。
「クラウス達にも話したが、俺はロステクより黄金の泉その物に興味がある。クマが凶暴化した原因含め、泉が黄金と呼ばれている理由を知りたいんだ。その原因がロステクでも構わねえ。一度この目で見てみたいだろ」
 ライナルトの力説に呆気に取られる秀に、クラウスは肩を竦める。
「この人、ロステク自体に興味があるわけではないようですよ」
「へえ、変わった人だね」
 トレジャーハンターにもいろいろいるということだ。

 情報は必ず開示するというライナルトと共に再び動き出す探索隊。
 そこにボス熊を追っていた空兎から連絡が入った。
『泉を発見しました。……けれど……――』



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