クリエイティブRPG

新クレギオン

深き密林に紛れしモノ

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深き密林に紛れしモノ
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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 * 未開拓地の探索・Ⅱ *



 防弾防刃ベストで身を包み、手にはスナイパーライフルを持ち探索に当たるアイリス・シェフィールド
 入口までメンテ済みの車で来たのだが、密林の中までは流石に身動きが取り辛いというライナルトに指摘され断念したのだった。
「――あ、これはもしかしてクマの体毛ネっ?」
 木の幹にくっついていたそれを採取し、ウェアラブルコンピューターを開きつつ精密探査を試みる。
 出た結果は間違いなくクマの毛。それも血痕まで付着している。
「怪我してるってことネ? どう思う? ライちゃん」
 行動を共にしていたライナルトに声を掛けると、少し驚いたような彼の顔にアイリスはきょとんと首を傾げる。
「ライちゃんって俺のことか」
「他に誰がいるネ」
 淡々とした受け答えの後、双方何事もなかったかのように話を戻す。
「そいつは間違いなく怪我してるな。まだ乾いていないところを見ると、近くに居る可能性が高い」
 血痕を手袋越しに触れて確かめるライナルトに、「だよネ」とアイリスも同意した。
 周囲を警戒し頭上にも目を向けると、突然葉がざわめき出す――。
「ライちゃん上ヨ!!」
 声を上げながらライフルを構えたアイリスは葉の密集する一点に狙いを絞った。
 狙撃した直後、太い枝を揺らしながら落ちてくる巨体を後方へ飛躍してかわす。
 ズドーン!! と派手な音を立てて落下したそれは、片脚と新たに胸に銃弾を受けたことで絶命していた。
「脚はナイフの刺し傷だな」
 密林に入ったメンバーの誰かが負わせたのだろうというライナルトの見解は正しかった。
「地上だと見つかると思って上に逃げたのが運の尽きネ」
 アイリスはこのクマからどうにかロステクの手掛かりを抽出すべく調査に掛かるのだった。


 凶暴化した野生動物が出た先にきっとロステクがあるだろうと予想するミューレリア・ラングウェイは、地面に何かがぶつかる様な音を聞いて急ぎ駆け付けた。
「――これは、想像以上のデカブツだな」
 地に伏す巨体に驚きながら居合わせたライナルトとアイリスに話を聞き、クマの状態からして何らかの影響を受けている可能性は十分にあるだろうという結論に至った。
 状況を理解したミューレリアもクマの痕跡を追ってきたことを説明する――。
「それで、ロステクの影響を受けてるなら常に行動している――つまり獣道とかフンの目立つ範囲に何かがあるってことだと思うんだ」
 負傷した状態なら尚の事安心できる場所に逃げ込もうとするはず。
 その場所こそロステクの在り処ではないかとミューレリアは推理した。
 ライナルトもそれに賛同して口を開く。
「あるとすれば黄金の泉もそこだと見るべきだが、報告によると“そんな泉は見たことがない”“凶暴化したクマが出没するようになったのはつい最近”って話だ」
 この情報は一夫がライナルトに知らせたものだった。
「黄金の泉の噂が出たのも最近か?」
「その通りだ。だからはっきりとした目撃情報もなく眉唾物の可能性が高かったが――」
 泉があるとすればこの更に奥地。クマが出て近付けない以上“見たことがない”のは当然である。
 ――しかし、火の無いところに煙は立たない。
「凶暴熊と黄金の泉の出現が比例しているとしたら、実在する可能性も十分にあるってことだな!」
 普通から逸脱したこのクマを目の当たりにした以上、関係があると見るべきだろう。
 意気込むミューレリアにライナルトは返事の代わりにニヤリと不敵な笑みを浮かべた。



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