クリエイティブRPG

新クレギオン

深き密林に紛れしモノ

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深き密林に紛れしモノ
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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 * 行方不明者の捜索・後編 *



 フェミアから無線機で知らせを受けた瑞稀は、コンピューターに追加情報を入力する。
 ギリギリのところで通信が途絶えてしまったが、概ね把握できたはずだ。
 瑞稀が居る場所は中央付近。
「敵を分散するため散り散りに逃げたということは、右翼側に居る可能性が高いですね」
 ここ一帯、見える範囲は大体調べたが誰かが潜んでいそうな気配はない。
 コンピューターにも特に危険と思われる野生動物の情報は上がってはこなかった。
 しかし小動物の姿が見受けられないのはおかしい。凶暴化したクマが原因と見るのが妥当だろう。
 瑞稀は手元を操作して仲間へ通信を送った――。

 通信を確認したレオン・ダストルガ――だが、その目は直ぐに前方へと向けられた。
「さて……僕はここを突破しなければなりません」
 目の前にいるのは二メートル近くあるクマのような獣。
 ような、というのは普通のクマにしては筋肉質で目が血走っていて……とにかく危険の塊のような生物に見えるからだ。
「普通のクマの方が余程可愛げがありますね」
 幸い、向こうは食事に夢中でレオンの存在に気付いていない。
 ここは無理な戦闘は避け、先に進んだ方が賢明か。
 レオンは仲間にクマ出現の情報を伝えてからそっと迂回して距離を取った――。

 クマ出現の知らせに、辺りを注視するミレンダ・ファティオー
 ミレンダが居る場所もレオンと同じ右翼側だった。
「やけに静かなのは、まだ例の野生動物が蔓延っているからなのですね」
 独り言もやけに耳に付くような気がして、少しだけ息を呑む。
 と、突然背後から肩を叩かれ呑み込んだ息が悲鳴となって飛び出そうになった。
「っっ!!? レ、レオンさん……」
「驚かせてしまったようで申し訳ない。大丈夫ですか?」
「はい……大丈夫です。それよりクマが出たとか」
 呼吸を整えて質問を返すミレンダにレオンは静かに頷く。
「此処周辺を生体LANジャックで情報処理してみましたが、さっき遭遇したクマ以外大きな反応はありませんでした」
「では、生存者はもう少し奥にいるかもしれませんね」
 きっとまだ無事でいることを信じてのミレンダの発言に、異議を唱える者などいない。
 危険生物への警戒はレオンに担当してもらい、ミレンダは身動きが取れずにいるであろう行方不明者一名の捜索に専念した。

「あの辺りが×印地点のようですね」
 ミレンダが地図と照らし合わせながら告げた。
 出発前に開拓者の一人から得ていた情報通り、入口から真っ直ぐ歩いてきたので間違いない。
 案の定、簡易な立札と黄色いロープをちらりと視界に捉えた。
 きっとこの近くで息を潜めて助けを待っているはずだ。
「――ちょっとストップ」
「クマですかっ?」
 レオンの制止する声にミレンダに緊張が走る。
「……いいえ、生命反応を見る限りクマではないようです」
 その答えに警戒を続けたまま近付いていくと、一本の太い幹の裏側に生存者と思われる男を発見した。
 彼は地面に穴を掘り身を隠していたのだった。
「お怪我はありませんか?」
 ミレンダが優しく声を掛けると、男はゆっくり手で頭部を押さえた。
「猛獣から逃げて来た時に、頭を打って気絶したんだ」
「それは大変でしたね」
「ああ。それで……気が付いたら日が暮れてて、方向も分からなくなって兎に角隠れなきゃと思ってずっとここに……」
 カバンから医療道具を取り出したミレンダは、男の怪我の程度を確認しながら応急手当と治療術を施す。
 問診も無理のない程度に行い今できる範囲で全力を尽くした。
「骨折はしていないようですが、歩けそうですか?」
 問い掛けながら男に肩を貸し、立ち上がることができたのでゆっくり移動を開始する。

「――案内はわたしに任せてください」
「! 瑞稀さん。助かります」
 合流した瑞稀が先導し、男をミレンダとレオンが交代で支えながら歩く。
 移動ルートを逐一コンピューターに入力していた為、道順は大体把握している。
 もちろんレオンから貰ったクマの情報もインプット済みだ。
 ハンドガンを手に周囲と救助者を警戒する瑞稀。
 救助した彼もまたロステクが目当てという可能性があり、襲ってこないとも限らないからだ。
 道中、人心説得で情報を引き出そうと試みるが、彼から帰ってくる答えは「何も知らない」と首を振るばかりだった。



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