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新クレギオン

深き密林に紛れしモノ

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深き密林に紛れしモノ
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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 * 行方不明者の捜索・前編 *



「――無線機は良好みたいだね」
 密林に入る前。捜索メンバーと連絡先の交換を行ったフィミア・イームズは手にした無線連絡機のテストを済ませた。
「そうみたいですね。でも密林に入ったら電波が乱れる可能性もあるので注意しておきましょう」
 ウェアラブルコンピューターを操作しながら注意喚起する御子柴 瑞稀に全員が頷いた。
 開拓者(パイオニア)二名が行方不明になって二日経過している。
 あまり時間は掛けられない状況に、参加したメンバーは地図を元に各自割り当てられた場所へと捜索に当たる――。

「誰か、いませんか~? いたら声を掛けて下さい~」
 生い茂る草木の中を掻き分けながら進むフィミアの耳に、呼び掛けに答えるかのようにガサガサと物音が届いた。
 距離はあるが、凶暴化した野生動物を警戒して立ち止まりもう一度声を掛けてみるも応答はない。
 ここは地図に記された左翼側の×印に近い場所だ。
 これより先には行っていないと判断するならば、回り込んで物音の正体を見極めた方が良いかもしれない。
 フィミアは慎重に歩を進める。
 すると、またあの草が擦れるような音が聞こえた。
 明らかに意思を持って揺らしているのだと分かるとフィミアは迷わず音の方へと向かった――。

「――っ?」
 黒のネコ耳がぴくりと動く。
 同じく左翼側を担当していたネコのミュータントである剣堂 愛菜は超常感覚を周囲に向けて、音のした方へと一目散に駆け出した。
 物音の発生地点に到着するなり目に飛び込んできた光景に息を呑む。
 茂みに隠れるようにして横たわる一人の男。
 見える肌は傷だらけで片脚には添え木が施されている。
 熱があるのか顔が赤く、呼吸も苦しそうだ。
「良かった~。丁度呼ぼうと思っていたんだよ」
 先に到着していたフィミアは、愛菜が病気故に上手く声を発せられないことを配慮してか説明を進めてくれた。
「――というわけで、彼の事をお願いしても大丈夫かな? 僕はこの辺りをもう少し調べてみるから」
「!!」
 愛菜は大きく頷きながらグッと親指を立てる。
 元より怪我人は自分が背負って救出しようと決めていたのだ。
 変異種であるため足にも筋力にもそこそこ自信がある。
 愛菜は負傷した男を慎重に背中に背負うと、密林を脱出すべく地を蹴った。
 ロステクの情報を聞けたらと思っていたが、息をするだけでも苦しそうな男の様子からそれは無理だろうと判断する。
 それでもフィミアと居る時にもう一人の行方不明者の情報だけは聞き出せていたので、良しとしよう。
(人命救助が最優先……よね!)
 周囲への警戒を怠らないよう、日の当たる出口へと急ぐのだった。



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