* 序章 *
ライナルト・ヘルツェンバインは集ったメンバーを見回すなり口角を吊り上げ独り言ちた。
「人員を募ったはいいが、ロステク目当てなのが見え見えだな」
本来の目的は行方不明者の捜索と、未開拓地の調査だが、
ロストテクノロジーが関わっているかもしれないという情報に眼がギラついてしまうのは当然だろう。
ライナルトも黄金の泉に関してはその一人で、指揮を執らなければならない立場なのが億劫だったが、彼等に感化されたのか気持ちが昂るのを感じていた。
「……言うまでもなく全員やる気みたいで安心したぜ。
そんじゃあ、とっとと始めようか――」
ライナルトの緩い号令の下、密林での探索が開始された。