クリエイティブRPG

　こうして、暴走した電子機器や機甲士は、無事に制圧されて、エネミーは全員消去された。
　調べたところ、電子機器の暴走は大方の予想通りネットからのハッキングだったが、機甲士についてはリロイの予想通り、ロボットをハッキングしたエネミーが機甲士のボディへと、他のエネミーが入ったメモリーカードをこっそり挿入していたからだった。
　
　今回の事件が無事に解決し、政府から礼を言われた。
「でも、やっぱりエネミーの人達にも幸せになって欲しかったわね」
　ミハイルは残念そうに呟いた。
「まぁ、エネミーを助けたい気持ちは良いことだが、同じ人間でも言葉が通じない奴はいるからな。彼らは地上の人間に対する恨みのあまり、心が完全に壊れてしまっていたが、もし彼らが他人を信じる気持ちが少しでも残っていれば、聴き入れられてくれただろう。上手くいかなかったからと言って、あまり自分を責めないことだな」
　良かれと思ったことが相手を怒らせてしまったが、カースンの言葉を聴いて自分達が彼らを助けたいという想いは間違っていなかったと、安堵した。
　なお、人間の思念体を電脳化させるロステクは、コピーされない様に厳重なプロテクトが掛かっていたことから、全員スキルを得る事は出来ず、使うことも出来ないことから二束三文と鑑定され、スキルや売却・研究などを目論んでいた者達は、全員落胆した。