「今回は暴走するロボットの捕縛。つまり、スノウとエド博士の護衛をすれば良いのだな。さて……どうやってロボットを捕縛するか」
「電脳機器の無力化か……壊さないようにしねぇとな。特に、ダークロイド。力加減はしろよ」
ダークロイド・ラビリンスと
卯月 神夜は、復旧担当の
エドルーガ・アステリアと
スノウダスト・ラビリンスを護衛することが役目である。
しかし、2人が復旧作業をしている途中で、暴走したロボットが襲い掛かって来る可能性があるので、ダークロイドと神夜が2人を守ることになったのだ。
とはいえ、神夜としては、ロボットよりも本来、戦闘狂のダークロイドが暴走しないか心配している。
今は大人しいが、もし戦闘の途中で彼女が暴走したら、自分の手に負えるのだろうか。
「電脳化が出来るロステクですか! 是非、実物をじっくり観察したいですね」
「電子機器達の暴走、此処は僕に任せてください。……もし、ダークロに何かしたら、フフフ……」
復旧作業を担当するエドルーガとスノウダスト。マッドサイエンティストとヤンデレ異能者という変わり者だが、2人とも実力はそれなりにある。
エドルーガは、電脳化出来るロステクに興味津々で、スノウダストは万一ダークロイドに近付くロボットがいたら、始末しようかと黒い笑みを浮かべている。
早速、暴走したロボットが4人に襲い掛かって来た。
神夜が超常感覚と野生の勘で、周囲を警戒していたおかげで、すぐに気付くことが出来た。
神夜が高速戦闘で密集した敵を攻撃した。とりあえず、敵を停止させれば、問題はないだろう。
一方のダークロイドは、ナノマシン・ヴァルハラ・ライザーから亜人の一撃を放ち、敵に強力な拳をお見舞いした。
殴られたロボットは右腕を破損されて倒れ、その場で動きが停止した。
「おいおい。今回は、破壊禁止だぞ!」
「安心して。力は加減したから。それに急所(ハード)は外したから大丈夫だよ」
「急所を外したって……破損しているじゃねぇかよ!」
亜人の一撃は強靭な身体能力を相手にぶつける技なので、力加減をしたとはいえ、破損して復旧が出来なくなったら元も子もない。 万一、大事なデータまで吹き飛んだら、どうするつもりなのか?
そこへ、エドルーガとスノウダストが破損したロボットを観察した。
「安心して。ボディは壊れているけど、それ程酷くはないし修理すれば大丈夫だし、データも無事だと思うよ。壊れたパーツもスノウダストがハイヒーリングで修理してくれると思うから」
「あと神兄さん これ以上ダークロをイジメたら承知しないよ」
「イジメてねぇよ!」
どうやら、神夜はスノウダストから、変な誤解をされてしまった様だ。ツッコミを入れただけで、睨まれるのは勘弁だ。
とはいえ、ダークロイドを偏愛する彼の前で、下手にダークロイドに手を出したら、後で自分が何をされるか分からない。
何で毎回自分がこんな目に遭うのか、イジメられているのは自分だと嘆きたくなった。
スノウダストがハイヒーリングで無力化したロボットを修理して、エドルーガが全知識総動員で、エネミーを除去していく。
「それにしても、このロステクは本当に凄いね。まるでSFに出てくる技だよ。どうにかして持ち帰れないかな?」
「……私はロステクに興味はありませんが、仮に持ち帰ったところで、分かるものなのですかね。あと、アインさんが電脳化をコピーをしようとして、失敗したそうですよ?」
「そうか……それなら、ますます興味深いな。是非、その神秘を知りたい!」
「……エドさん、本来の目的を忘れていませんか?」
そんな会話のやり取りをしつつ、どうにかロボットを1体復旧させることが出来た。
「よし、完了だ」
「そうだね。後は、2人が退治を終えるまでだね。でも、もしダークロに襲い掛かる輩が来たら、たとえロボットだろうと、私がサイキックで懲らしめてやるからね」
その後、ダークロイドと神夜が退治したロボットをエドルーガとスノウダストが修理するという流れで、次々と復旧していった。
何体も、ロボットが来るので、途中でスノウダストがサイキックで退治することもあったが、数時間後には無事に復旧作業は終わった。