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怪盗ルシフェル団現る!

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怪盗ルシフェル団現る!
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ルナティエールに、次に声をかけたのはベルナデッタ・シュテットだった。


「ごきげんよう。『レイティアの涙』はどうしたのかな?」

「少し金具の調子が悪くて……ということにしています。これですわ」


ルナティエールは胸元から『レイティアの涙』を取り出す。


「へえ、これがレイティアの涙…噂の通り様々な色に輝く…まるで虹のようだ。
わたしがちょっと金具を直してあげよう。今日は持つだろうけど、改めてちゃんと直すといい」


言ってベルナデッタはこっそり、チョーカーの宝石を幻創の魔石につけかえる。
ルナティエールに目配せをした。


「では、ごきげんよう」


ルナティエールは本物の宝石を胸元に隠し、偽者の宝石をつけたチョーカーを身に着けた。
石は月色に虹がかった色合いで輝いているから、本物と見まごう者も多いだろう。


「……様子はどうだ?」

「何人か、話に聞き耳を立てているひとがいたよ。全員が団員とまでは言わないけどもある程度絞れる」


ベルナデッタはエル・スワンに耳打ちする。


「あと、洋服の質が良くない人たちがいる。
もしも彼らが貧しい環境の者たちだったとしたら……彼らも団員の可能性が高い。
戦争の被害は大きいから……」

「OK。『そのとき』が来るまで、見張っていようか」

「了解」

探偵としてやる気に満ちているベルナデッタを見、もともと「情報屋」の仕事を営んでたんだっけなと、少し思い出す。


そこで耳に強く響く旋律が鳴った。
七英雄の一人、<白銀のアナスタシア>を題材にした旋律。
スリーピングフォレストで奏でるそのひとはルージュ・コーデュロイ
強くも美しい、白銀の女性が幻視出来るほどにその旋律は強い。

情熱的に奏でながらも、ルージュは観察を忘れない。
主催者側に怪盗団が紛れ込んている可能性を考えてのことだ。
案の定、挙動がやや不審な青年がいる。彼は絶対にクロだろう。

自然な様子で近付いてきた伴侶である優・コーデュロイにそのことを伝える。
優はその青年はもちろんのこと、ルージュが歌を歌っている間に妙な動きをする人物を見つけ出そうとする。

森人の視聴覚でエルフとしての技能、視力と聴力を活かして探し、観察眼でそれを強化。
武器になりやすいアクセサリーなどの装飾品、
杖や歩く際に出る衣擦れ音が大きさや本来しないような金属音などを発生していないか
宝石を狙っていくような立ち位置や気にし方をしているものがいないかを気にする。


「グラスが空のようですね。なにかご用意いたしますか」

「ああ、では同じものを頼むよ」

「かしこまりました」


メイド服を着て給仕として立ち振る舞う事で何気ない軽い接触もしていってみた。
更にエイジオブアクエリアスの予知も使いサポートとした。
結果、何人か怪しい人物がいたので、挙動を観察する。


ルージュが一休みしたところで、別の旋律が流れる。
広間の隅、一寿・ウィーバーによって銀の横笛で奏でられる旋律だ。

武器を持っているなら、仕事の前にはそれを確認したりするだろう、と一寿は考え、
どこかに隠し持っているかどうかを見る。
警護にあたる冒険者たちはお揃いの青い羽をつけていてわかっているので、あやしいリストに含まぬよう外しておく。

演奏が終わった後、観察結果を味方冒険者にそれとなく知らせた。
あの男はステッキを随分気にしてる、あのドレスの膨らみ具合のシルエットはちょっと変だ、
歩き方が気になるね、体の右側が少し重そうだ、など。


「レディ、一曲お相手を」


差し出された手。シン・カイファ・ラウベンタールからのダンスの申し込みを、
ルナティエールは快く引き受けた。


「喜んで」


踊りながら、密かに会話を交わす。


「どうだ? 怪しそうな奴は見つけたか?」

「えぇ、幾人か」


怪しいと思われる客の特徴を伝えるルナティエール。
彼女の眼に外れはなさそうに思えた。


踊りを終え、ルナティエールは優雅に礼を取る。

「お誘いありがとうございました。こんなに素敵な殿方と踊れて幸せな一時でしたわ」

笑う彼女の言葉は本音に思えた。

「こちらこそ、魅力的なレディと踊れて幸せなひと時でしたよ……それでは、よい時間を」

少し心が揺れたものの、やるべきことをこなすシン。
怪しいと思われる女性客に声をかけ、次々と踊る。
それが他の参加者に『この客は怪しい』と伝える手段だ、とあらかじめ伝えてある。


「麗しいレディ、どうでしょう一曲お相手していただけますか?」

「ええ、私でよければ」


時折、武器になりそうな耳飾りをつけている相手も見つけるが、
踊りながらスティールで盗んでポケットボムで無害なアクセサリーとすり替える。
踊っている状態ゆえに視線誘導も容易で、次々と成功していく。


「踊るお相手がいらっしゃらないなら、私とも一曲踊っていただけますか?」

「こんな素敵な女性から誘われて断る理由がありませんね。では、一曲」


怪しい男性客には女装したマルチェロ・グラッペリが声をかけた。
このふたりが踊る相手達がすなわち怪盗団の可能性が高い、ということだ。

怪しいと思われる相手すべてと踊ったあとは、シンとマルチェロで組んで踊り続けた。
会場を観察するためだ。
たまにマルチェロがシンの足を踏むこともあったが、ご愛敬だ。

団員を探った情報は、すべて成神月 鈴奈のもとへ届けられていた。
器用な手先、山人の手先とお絵描きセットを利用して団員と思われる者を絵に描き起こす。
仲間たちからの情報が中心だが、中には鈴奈自身が会話に聞き耳を立てたり、
不自然な服装の様子から見つけた団員もいる。
描かれた絵は手早く仲間たちのもとを巡り、情報共有された。


「お嬢さんは何をされているのかな?」


そんな中、物珍しさか男性客が質問をしてくれる。


「素敵な参加者の絵を描いています。みなさんお綺麗だったり格好良かったりで、
そんな方々の絵を残しておけば良い思い出になるかと思いまして」

「なるほど。確かに素晴らしい絵を描かれますね」

「ふふ、おじ様の滑らかな頭や立派なお鬚も素敵ですよ」


さて、ここからだ。


「怪盗団がこの中にいる!! 貴族の皆様方は身を守ってくれ!!」


ベルナデッタの一声が場を支配した。


「他の人の目は誤魔化せても探偵であるこのわたしの目は誤魔化せないぞ。
すでに団員全員目星はつけている!」


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