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黄金のランプとパフォーマンス大会

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黄金のランプとパフォーマンス大会
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第1章『パフォーマンス大会開始』


 島々が空に浮かぶ、雲龍世界「スカイドレイク」
 その東方にある島の一つである、熱砂の島「ワハート・ジャディーダ」

 都市部である『ワーハ』では、これからパフォーマンス大会が行われる。
 今回は西方より訪れた人たちも来るという風の噂から立ち見が出るほどの超満員だった。

 観客席には松本 留五郎たちが来ていた。

「舞台観るんやったら、幕の内弁当は外されへんやろ。あとはお茶やな。」

 留五郎は食べ物や飲み物を取り出していく。
 さすがに幕の内弁当はなかったので、バザールに売っていたビリヤニという混ぜご飯を購入していた。

「相撲や野球観戦やったら、酒にアテ・・・・・・」

 ふと、留五郎はプラム・ブランシェをちらり、と見る。
 彼女はクラウディオ・トスティから観客としての反応の仕方を聞いていた。

「楽しかったら楽しい、驚いたならびっくりした、おかしかったらおかしい! って、リアクションしたらいいんだね?」

 プラムは年相応にリアクションの確認をする。

「そう、ボクたちは『サクラ』を演じなければならないのさ」
「サクラ・・・・・・チェリー? ううん、ボクはプラムだよ?」

 プラムの勘違いぶりにクラウディオと留五郎は呆然とした。

「にぎやか―にするんやったら酒の方がええねんけどなー、まちごーて飲まれたら、保護者としてどーかと思うしなー。シラフで酔っぱらうわ」

 そう言ってお茶をすすっていると、一人の男が舞台に立つ。

「お待たせしました! さっそくパフォーマンス大会を開始いたします!」

 この大会の主催者であるヒゲ面の男が舞台上で言うと、歓声が響き渡った。審査員の紹介をする主催者の腰には鍵が光る。

「今回は西方より訪れた挑戦者もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ楽しんでください! では、参りましょう!」

 主催者の合図で舞台に八上 ひかりが上がっていった。
 今まで様々な世界を渡り歩いてきた彼女のオーラに観客たちは期待に胸が膨らむ。
 ひかりは『機械式楽器』のスイッチを押し、音楽をかけながら自己紹介をした。

「皆さん、初めまして! 今日はこの傘を使って芸を見せていくよ!」

 そう言って傘を開き見せつけていく。
 雨が滅多に降らないワハート・ジャディーダではなかなか見かけない代物だが、ギアなど特別なものはついていない。
 観客たちが注目する中、突然ひかりの首が落ちた。
 正確には彼女の能力で一時的に頭を外しただけだが、どうやってやったのかと観客は大騒ぎになる。

「びっくりした? でも、本番はここからよ!」

 頭を小脇に抱え、傘を回転させていく。そして、軽く頭を投げ傘に乗せると上でコロコロと転がした。
 さらに、観客席の脇に桜の木を召喚し『桜影』を投げつけ、会場を桜ふぶきで包み込む。

「いつもより多く回っておりま~す!」

 ひかりは傘の上を転がっていく。異国情緒ある芸に観客は拍手を送った。さらに、おひねりのお金を舞台に投げ入れていく。
 すると、主催者がそのお金を拾い集めていった。

「おひねりは主催者がもっていくん? ふーん」

 その様子を留五郎はいぶかしげな目で見ていた。

「改めて彼女に盛大な拍手を! それではどんどん参りましょう!」


 その頃、会場のすぐ近くで葉剣 リブレは身を寄せていた旅芸人の『ムスタファ一座』にお願いをしていた。

「舞台裏にいる人たちが気づかれないように、パフォーマンス大会を盛り上げたいの」

 リブレが頭を下げると、同じ小さな妖精であるファリダが彼女の元へ飛んでくる。

「そんなの当然でしょ! みんなで盛り上げよう」

 ファリダが言うと他のメンバーも手を挙げ応えた。まもなく出番となり、リブレは舞台に上がる。
 小さな妖精の登場に皆は興味津々でよく見ようと、目を細めたり前のめりになったりした。
 たくさんの視線にリブレは思わず一瞬身を引いてしまう。すると、ファリダが飛んできて両手で手を握った。

「大丈夫、一緒に踊りましょ」

 ファリダに勇気づけられるとリブレは『操樹のフルート壊』を吹き始める。
 英雄を称える異世界の曲を奏で、会場を盛り上げていった。曲に合わせ『ムスタファ一座』も芸を披露していく。
 ファリダもリブレの周りで踊り始め、リブレ自身も上品に回転しながらフルートを吹いていった。
 一曲が終わると、観客から歓声が上がった。『ムスタファ一座』は皆手を繋ぐと、一斉にお辞儀をした。

「さあ、先ほどは小さな挑戦者でしたが、今度は大きな挑戦者です! はりきっていきましょ!」

 主催者の言葉と同時に弥久 ウォークスが入ってくる。
 『ブラック・ラウンジ』を着用した彼は颯爽と中央まで歩いてきた。観客は皆ウォークスの見た目に思わず口が開いてしまう。

「先ほどの女の子は首が取れてしまいましたが、今回の方はなんと首が2つあります!」

 主催者の言うとおり今のウォークスには首の付け根から頭が2つ映えている状態だった。

「みんな見てる。掴みは成功だな・・・・・・優勝してランプを手に入れてやる」

 観客の反応を見つつ、『ホライゾンガントレット』をしっかりはめ直す。

「俺がやるのはお手玉だ! しかも、ただのお手玉じゃないぞ」

 そう言って取り出したのは『黄玉の宝珠』だった。それを混ぜつつお手玉を開始すると、落ちたときの恐怖からざわめきが起こる。

「落としたら大惨事となる、迫力とスリル満点のハラハラドキドキショーだ!」

 ウォークスは球を2つ、3つ、4つと増やしながらお手玉をしていった。さらに、首から生えている2つの頭が歌い始める。

『ある意味ラブストーリーかも 目指した瞬間始まり 未来で笑ってる自分へ 恋に落ちたんだ』

 紳士的な服装に奇妙な頭、ハラハラする芸に明るい歌。このミスマッチさから徐々に観客は笑い出した。
 お手玉は最終段階に入り、球の中に『桜影』を混ぜながら投げていく。
 そして、自分の手元に着地した瞬間、爆発が起こり桜の花びらが舞った。
 観客からは再び拍手が起きる。プラムも指笛を鳴らし、声援を送った。

「さすがに指笛は、品がないからやめなさい・・・・・・一応嫁入り前の女の子やし」

 留五郎が注意すると、プラムは唇を尖らせる。爆発の煙が晴れると、ウォークスの上半身は黒焦げになっていた。
 しかし、彼は満足げに頭を下げた。


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