第一章 ―“魔女狩り”―
細い道が一本、小さな集落へと営みの道を伸ばしていた。
住民達が外へ行くために利用するか、行商人が通るか、その程度を想定された簡素な道だった。
それを幾多にも重なる粗暴な足音が次々と踏み荒らしていく。
まるでそれは営みを破壊するかのようであった。
「……来たわよ」
暴徒達を正面から捉える一人の女がいた。
片腕の義手を軽く動かす特異者――クロエは静かに前へと歩みを進めた。
同じように、周囲に集まった歴戦の特異者達もまた、それぞれに動き出す。
“魔女狩り”を止める戦いが、火蓋を落とすのだった。