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恒久は罪であるか?

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恒久は罪であるか?
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1.阻む者

「グァアアアア!」
 狭い通路の中で太く、低い唸り声が響き渡った。
 狭い通路をふさぐようにしてゴブリン達が大人達の前へと立ちふさがる。

「くっそ、なんでこんなに”居る”んだ」
 剛腕な腕をのぞかせた、中年の教師は思わず狼狽えた。
 手に持った木の棒をゴブリンたちへ目がけて振り回す。
 だが、ゴブリンは1体ではない。通路の向こう側から次々と現れる。
 ゴブリンたちは一斉にこん棒を振りかぶり、教師たちへと殴り掛かる。

「グェッ」
 教師たちの横を鋭い風がよぎると同時に、その矢はゴブリンの腹部へと直撃する。
 くらったゴブリンは背後へと転がり、あたりのゴブリンは戸惑いの鳴き声を上げる。
シルノ・フェリックスは目を細め、再び弓を引くとゴブリンたちへ放っていく。

 その隙にDDM- 23は教師たちの前に立つと、【重装大盾】を前方に構える。
 ゴブリンたちの打撃は鈍い音を立てて、重装大盾にはじかれる。
 すかさずその背後で邑垣 舞花は【マグネス】を【略式詠唱】で発動する。
 たちまち集まって来た土砂によりゴブリン達はその体を埋める。
「ゴ無事デスカ?」
 後ろへ振り返りるとDDM-23は、教師たちの無傷を確認する。
 教師たちは目を丸くしながらうなづいた。
 予想外の迎撃に戦いたのか、いつの間にか向かってくるゴブリン達は居なくなっていた。
 
「大丈夫ですか?」
 舞花に肩を抱えられた男性教師の元へと、シルノは【救急セット】を取り出しながら歩み寄る。
「足を殴られたみたい」
 舞花の言葉にシルノは頷くと、救急セットで治療を試みる。

「ルノンさんってどんな方なんでしょう。先生や村の大人達に大事にされて居るようですが」
 治療をしながら【プラシーボケア】でシルノは語りかける。
 教師は様々な事を教えてくれた。
 ルノンは控え目な性格で、大人しく、また大人の言う事には何でも聞く。
 良くある優等生な生徒だったようだった。
 しかし、【デフラグメンテーション】でシルノはあることに気がつく。
 (人生経験も十二分に大人達の数倍はいくのに、何も文句を言わなかった?)
 シルノは、気になったことを他の特異者にも共有しておこうと考えるのだった。
 
 側ではDDM-23が、別の教師を【エーテリア】で治癒していた。
「その……ありがとう」
「皆様ヲ御守リスルノガ今回の役目デス」
 DDM-23はじっと、損傷しているであろう腕に手を当てながら答える。

「終わったよー!」とノーン・スカイフラワーが片手を振りながら明るい声をあげる。
 ノーンは【超直感】を張り巡らせながら、舞花達の側をぐるりと周りを歩き回っては【トラップマスター】としてトラップを解除して回っていた。
 城の主は警戒深かったのか、迫り来る壁の仕掛けや落とし穴が所々にあり、ノーンはそれらを全て解除し終えたのだった。

「怪我をしてる人は無理せず、引き返す方がいいよ」
 ワッフルはそう声をかけながら、先を進む。

   §

「行方不明になる前に、何か変わった事ってありませんでしたか?」
 舞花やシルノ達が前方を歩く、その後ろでアルク・フェンディ は、教師に問いかけた。
「変わった事……ねぇ? いつも通りだったと思うんだが」
 どうやら、余り親しい教師出はなかったのか歯切れの悪い答えだった。
 アルクは問いを変えることにする。
「ルノンは歳をとらないと期来ましたが?」
「ああ、そうだね。少なくとも僕が教師をし始めて10年は歳をとってないかな」
「ずっと、ルノンは学校に通っているんですか?」
 教師は頷く。つまりルノンはずっと学生である。
 ずっと、学生生活を送るルノンの気持ちとはどういう物なのだろうか、少しばかりアルクは感慨深くなる。

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