クリエイティブRPG

消えた少女の謎

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消えた少女の謎
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序章


 ――スパイラル17階。
 経験値のいい狩場があるでもなく、レアリティの高いアイテムを所持するボスがいるわけでもない。ただいくつかのクエストと美しい浮島が用意されているだけの、平和な場所。
 その平和の一部が、轟音をたてて崩れた。繋ぎ止められていた土がブロックの形で奈落へと落ちていく。
 ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる鳥の鳴き声と、ばさばさと羽ばたく耳障りな効果音が重なり、同時に無数とも思える数の奇妙な鳥が姿を現して浮島から飛び立った。
 彼らの名は螺旋鳥。スパイラルならではのアクティブモンスターだ。
 渦巻きのように曲がった大きな嘴。鋭くとがった爪。体を支える大きな翼。
 本来は群れるような鳥ではない。
 アクティブとはいえ湧きも少なく、きちんと対策し、落ち着いて一匹ずつ対応すれば誰でも倒すことができる鳥、というのがRWOプレイヤーの共通認識だ。
 それが今は天井を覆わんばかりに集合し、列をなして滑空していた。
 それだけではない。その群に守られるように、通常の何倍にもなる巨大な螺旋鳥が並んで飛行しているのだ。
 曲がった嘴と尖った爪はそのままに、翼を二対に増やすことでその巨体を支え、くびれのない首元に紫色の宝石を飾って、頭部から人の毛髪のような長い金の体毛を流していた。
 その巨体が翼を上下するだけで強風がおこり、浮島をかすめるだけで木々をなぎ倒し、土煙があがり、その周辺の土くれをブロックと化してしまうのだ。
「ハカイ……スル……」
 開いた嘴の隙間から漏れるのは、他の螺旋鳥が聞かせるような不快な鳴声などではない。
「アタ、シガ……ゼンブ……」
 むしろ鈴を転がすような愛らしい少女の声に近かった。


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