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すすめ! おばけやしきたんけんたい

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第二章 Break a leg!



「んぐっ」
 急に頬を叩きつけた砂煙のような感触に、松永 焔子はわずかに呻き、顔をしかめた。
 同時に、これまで感じていた禍々しい気配が消え去る。
 それでようやく、焔子は三体目のフェイル……もしくはそれに類するものを倒したことに気づいた。
 頬にあたったのは、その証拠となる灰だ。
(そんなところまで吸血鬼に似てなくてもよろしいのに)
 少しばかり恨みにも似た感情を覚えつつ、焔子はそれを自分の指で払う。
「これで、偵察で見つかった三体は終わりかな。……ちょっと手ごたえがなかったけど」
 大剣を鞘に納めながら、卯月 浩人は軽く首をかしげる。
「さすがにこれが本体ということはないのではないでしょうか。私たちが受けた被害報告は、もっと大きな力を有していなければ成立しないものだと思います」
「そうだね。この程度の戦闘力なら、襲われた時に撃退できた人だっていたはずだし……となると」
 ヴィヴィアン・スートクラブの言葉にうなずいて、卯月は奥へと伸びる通路へと視線を向ける。
 そこで二階へと進む階段と、地下へと下る階段とが、らせんのように繋がっているのが見えていた。
「ここからどう進むか、悩むところだね」
「下からというのはどうでしょう? 地下を終えてから順に上に向かうことで、少なくとも漏れは防げますわ」
「なるほど、合理的ですね」
 焔子の案に頷いたのは木戸だった。他の特異者たちにとっても同意できる提案だったのだろう。多くの者は軽くうなずき、警戒を続けながらも地下へと足を向けた。
「――待って」
 そんな中、ウリエッタだけが声をあげる。
「少し考えがあるの。別働させてもらうことは可能?」
 そう告げる彼女の手にはリボルバーが握られていた。両手でしっかり支えているところから察するに、鍛えられている彼女にとっても重みを感じられるものなのだろう。
「……単独行動は危険を伴いますよ」
「分かってる。けど、最低限自分の身は守れるつもりよ」
 ウリエッタの言葉に、木戸は一度、返答に迷うように口を閉ざした。けれどすぐ、わずかに嘆息して首を縦に振る。
「分かりました……いいでしょう。なにかあれば私に連絡をお願いいたします」
「了解」
 短い返答を残し、ウリエッタは颯爽と身を翻す。歩きだす姿には何の迷いもない。
「……よろしいのですか?」
「私が知る限り、彼女は信用のおける人物です。考えがおありならお任せするのも手と言うものでしょう」
 ヴィヴィアンの問いに木戸はそう答え、改めて討伐隊一同を見回した。
「ではご提案通り、我々は地下へ向かいましょう。危険が予想されます。充分に警戒してください」


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