三千界のアバター

深夜のテロリストたち

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深夜のテロリストたち
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勝敗の世界――エデン

 敗者の街セクターD。静かな黄昏時でそれは始まっていた。
 一角に何人かの男が集まり、中央の一点――倒れている人影に視線を集めていた。
 
「ううぅ、うウウウウ……!」

 うめき声をあげ苦悶に満ちた表情をしていた。体は周囲の敗者たちの栄具によって拘束され身動きがとれないでいる。
 遠目からは敗者たちの手によって犠牲になろうとしていた一般市民にも見受けられる。
 だが、昇ったばかりの月夜に照らされた人影の体――右腕はナイフ、左腕はフォーク。そして右足は玉杓子――
 ――栄具に侵食されていたのだ。

「どうするよコイツ」
 一人が周囲の男達に声をかける。
「もはや言葉が分かるかも怪しいか……」
「自分の力を過信しすぎるとこうなるってな、恐ろしいぜ」
「いや、こいつが分不相応すぎる偉人の力を使ったからだろ?」
「ざまあねえぜ」

 話題の中心になっている男たちを嘲笑っていた。
 集まった彼らは栄具に飲まれかけたひとりの仲間の処遇を相談していたのだった。

「なあ、こいつセクターEに放り込んでやろうぜ」
「なに?」
「もう右も左も分からねえ、ただ偉能力を暴走させる以外にどうしようもねーんだ、どうせなら他所で大暴れしてもらおうぜ」
「はっは、なるほど、お前天才かよ」
 
 ぎゃはは、と物を見るような目で彼を使い捨てにする算段をつけた敗者たち。
 

 その日の深夜。――セクターE――

 ――ドォォオォォォン――
 
 激しい爆発音とともに、力を暴走させた反発者が侵入してきた。
 侵入口から敗者たちも次々に流れ込んでくる。混乱に乗じてフェイルの姿も目撃される。
 
 その報告はセクターEの管理者『獅子サイガ』にも即座に通達される。
 事件が起きた場所は街の外れ。まだ住民への被害は報告されていない。
 即座に対処すべく、サイガは得意者たちに通達する。

「暴徒を鎮圧し、セクターEに平穏を取り戻すのだ!」
 



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